南向きの部屋は本当にベスト?向いている人・向かない人と意外なデメリットを解説

南向きの部屋は本当にベスト?向いている人・向かない人と意外なデメリットを解説

【監修】角名 達矢

(株)ホンネ不動産創業者、宅地建物取引士、不動産業界20年以上。22歳の時に就職した会社にて不動産業界の慣例・慣習があまりにもひどく衝撃を受け、実務を経験した後27歳で独立。TVメディアに多数出演。賃貸仲介・売買仲介ともに経験豊富です。

「部屋探しをするなら、やっぱり日当たりの良い南向きがいいよね」となんとなく考えていませんか?日本では古くから「南向き信仰」とも言えるほど南向きの物件が重宝されてきましたが、現代の一人暮らし、特に20〜30代のライフスタイルにおいては、必ずしも南向きが正解とは限りません。

本記事では、南向き物件のメリット・デメリットを徹底的に解説していきます。

結論:南向きの部屋は「万人向けではない」

不動産業界において南向きは王道とされていますが、実際には住む人の生活リズムや価値観によって、その価値は大きく変動します。ここではまず、南向きという選択がすべての人にとってベストではない理由を説明します。

南向きが合う人・合わない人ははっきり分かれる

南向きの最大の特徴は「日照時間の長さ」です。この特徴がプラスに働くかどうかは、個々の生活リズムに完全に依存します。近年、リモートワークや在宅副業が一般的になったことで、日当たりの価値観も変化しています。

  • 南向きが「合う」人の特徴
    • 在宅ワーク・フリーランス: 日中ずっと部屋にいて、自然光の下で作業したい人。
    • 冷え性の人: 冬場の底冷えを嫌い、太陽の輻射熱で部屋を暖めたい人。
    • インドア派・植物好き: 室内で過ごす時間が長く、観葉植物を健康に育てたい人。
    • 家事効率重視: 洗濯物は絶対に「外干し・太陽光」でカラッと乾かしたい人。
  • 南向きが「合わない」人の特徴
    • フルタイム出勤: 平日の日中は会社にいて、夜まで帰宅しない人(日当たりの恩恵がゼロに近い)。
    • 交代制勤務・夜型生活: 昼間に睡眠をとる必要があり、外の明るさや気温上昇が安眠を妨げる人。
    • 暑がり・酷暑対策優先: 近年の猛暑を考慮し、夏場の冷房効率と電気代削減を最優先したい人。
    • コストパフォーマンス重視: 方角よりも、築年数や駅距離、専有面積の広さを家賃相場内で優先したい人。

このように、自分の「在宅スタイル」を客観的に分析しないまま南向きを選んでしまうと、ライフスタイルとのミスマッチが生じ、結果として満足度の低い部屋選びになってしまいます。

「とりあえず南向き」で選ぶと後悔するケース

多くの人が陥りがちなのが「日当たりが良い=良い物件」という固定観念による失敗です。南向きという条件を最優先するあまり、以下の要素を妥協して後悔するケースが後を絶ちません。

  1. 立地条件の妥協: 日当たりを重視した結果、駅まで徒歩15分以上の物件を選んでしまい、毎日の通勤・通学が苦痛になるケース。年間の通勤時間を計算すると、日当たりの恩恵よりも損失が大きい場合があります。
  2. 専有面積と収納の不足: 「南向き」という条件で絞り込むと家賃が高くなるため、予算内に収めるために部屋の広さ(㎡数)やクローゼットの容量を削ってしまうケース。荷物が入り切らず、居室に物が溢れては本末転倒です。
  3. 周辺環境の盲点: 窓が南を向いていても、目の前に高いビルやマンションが建っていては意味がありません。これを「遮蔽(しゃへい)」と呼びますが、南向きというスペックだけで安心し、現地での視界確認を怠ると、一日中暗い「壁ビュー」の部屋を掴まされるリスクがあります。
  4. 想定外のコスト: 日当たりが良すぎて夏場に冷房が全く効かず、冬に浮かせた電気代以上の出費が発生する場合があります。

条件の優先順位を見失い、『南向き』という言葉だけで判断してしまうことは、理想的なお部屋探しを妨げる要因となります。後悔のないお部屋探しをするためにも、向き以外の条件もバランスよくチェックしてみましょう。

家賃が高くても南向きが選ばれる理由

賃貸物件において、他の方角向きよりも、家賃が高く設定されているケースが多いです。それでもなお、高い家賃を払って南向きを選ぶのには、数値化しにくい「QOL(生活の質)」への期待が大きく関わっています。

  • メンタルヘルスへの影響
    太陽光を浴びることで、脳内の「セロトニンの分泌」が促されます。これは気分を安定させ、体内時計をリセットする効果があるため、一人暮らしで孤独感やストレスを感じやすい20~30代にとって「天然のメンタルケア」としての役割を果たします。
  • 衛生面とカビ対策
    日当たりの悪い部屋は湿気がこもりやすく、クローゼットや壁紙にカビが発生して健康被害を招くリスクがあります。南向きは湿気が飛びやすく、紫外線による殺菌効果も期待できるため、掃除の手間を減らし、清潔な住環境を維持しやすいという実用的な理由で選ばれています。
  • 「体内時計」の正常化による美容と健康
    住まいに関するアンケート調査では、南向きに住む人は他の方角に住む人に比べて「睡眠の質」に対する満足度が高いという傾向が見られます。規則正しい光の入り方が自律神経を整え、肌荒れの防止や翌日のパフォーマンス向上に繋がるため、自己投資の一環として日当たりを重視する若年層が増えています。

このように、高い家賃は単なる「明るさ」に対してではなく、快適な毎日を過ごすための「安心と健康維持」へのコストとして捉えられています。

南向きの部屋とは?人気の理由と基本

南向きがなぜこれほどまでに支持されるのか、その基本構造を理解しておきましょう。

「日当たりが良い」の具体的な意味

「南向きは日当たりが良い」と言われる理由は、一日の中で最も太陽高度が高くなる“正午前後の直射日光”を、安定して長時間取り込めるためです。

【日当たりのメカニズム】

太陽は東から昇り、南の空を通過し、西へ沈みます。北半球に位置する日本では、太陽は常に南側の空を最も高い位置で通過します。

そのため、南側に窓がある部屋は、

  • 午前中から午後にかけて安定した採光を確保できる
  • 正午前後の最も強い日射を効率よく取り込める
  • 冬場でも日照時間を確保しやすい

という特徴があります。

特に10時〜14時前後(季節により変動)は太陽高度が高く、日射量が多い時間帯です。この時間帯に室内へ直射日光が入りやすいことが、南向きの部屋が「明るい」「暖かい」と感じられる理由です。

南向きの家賃や価格が高い理由

賃貸市場では、南向きの部屋は他の方角(北向き・西向き・東向き)と比較して家賃がやや高めに設定される傾向があります。
差額は物件条件やエリアによりますが、ワンルーム〜1LDKの場合、月額3,000円〜10,000円前後の差が出るケースが一般的です。

なぜ南向きは家賃が高いのか?

  • 需要が高い(部屋探しで最も人気の方角)
    多くの人が「日当たりの良さ」を重視して部屋探しをするため、南向きは常に一定の人気があります。特に洗濯物の乾きやすさや室内の明るさを重視する層から支持されやすいのが特徴です。
  • 設計上、全戸南向きにしづらい
    土地の形状や建物の配置によっては、全戸を南向きに設計することが難しいケースも多く、結果として供給数が限られることがあります。この「供給バランス」も、家賃がやや高めになる理由の一つです。
  • 内見時の印象が良い(成約率が高い傾向)
    南向きの部屋は自然光が入りやすく、内見時に明るい印象を与えやすいため、成約につながりやすい傾向があります。
    不動産会社側も「決まりやすい条件」として価格を維持しやすい側面があります。

南向きの家賃差は“払う価値がある”?

月々数千円の差を、『冬の暖房効率』『日中の照明使用時間の削減』『室内の明るさによる快適性』といった生活満足度として回収できるかどうかが、南向きを選ぶ判断基準になります。

南向きと他の方角の家賃・特徴比較

方角家賃相場の傾向日当たり室温傾向向いている人
南向きやや高い(+3,000〜10,000円前後)◎ 安定して明るい冬暖かめ・夏はやや暑い在宅時間が長い人・洗濯物を外干しする人
東向きやや高め〜標準○ 朝明るい午後は涼しい朝型生活の人
西向き標準〜やや安い○ 夕方明るい夏は暑くなりやすい日中不在が多い人
北向き比較的安い△ 直射日光は少ない夏涼しい・冬寒め家賃重視・直射日光が苦手な人
※家賃差はエリア・築年数・駅距離により変動します。

マンション・戸建てで南向きが好まれる背景

日本で南向きの部屋が長く人気を集めているのは、気候・住宅文化・市場評価の3つが関係しています。

  • 湿度の高い気候との相性
    日本は梅雨や台風があり湿度が高い国です。特に木造住宅が主流だった時代は、カビや結露対策が住宅寿命に直結していました。南向きは日射時間が長く、室内を乾燥させやすいため、湿気対策として合理的だったことが「南向き人気」の原点といえます。
  • 伝統的な住宅設計の影響
    日本家屋では南側に縁側や大きな開口部を設ける設計が多く見られました。「南面採光」を前提とした間取りが一般的だったため、南向き=理想的という価値観が定着しています。
  • 市場評価と心理的効果
    南向きの部屋は内見時に明るく見えやすく、清潔感や広さを感じやすいという心理的効果があります。さらに「南向き=資産価値が安定している」という市場の共通認識もあり、結果として現在も高い人気を維持しています。

南向きが好まれる理由は、単なる思い込みではなく、日本の気候・住宅文化・市場評価の積み重ねによるものです。ただし、現代住宅では「本当に自分に合うか」を基準に検討することが重要です。

南向きの部屋のメリット・デメリット

南向きのメリットは非常に分かりやすいものですが、意外と知られていないデメリットも存在します。ここでは、一人暮らしのリアルに即して南向きの部屋の持つメリット・デメリットについて詳しく解説します。

メリット1:冬は暖かく光熱費を抑えやすい

南向き物件の最大のメリットは、冬場の「天然の暖房」効果です。

  • 輻射熱の効果: 太陽光が床や壁を温め、その熱がじんわりと部屋全体を暖めます。日中は暖房なしで室温20度前後まで上がることもあります。
  • 光熱費削減: エアコンの稼働時間が減るため、1月〜2月の電気代が他の方角の部屋より2,000円〜3,000円ほど安くなるケースも珍しくありません。
  • 冬のQOL向上: 朝の起床時に「布団から出られない」ほどの冷え込みが緩和されるのは、忙しい社会人にとって大きなメリットです。

メリット2:日中明るく照明代を節約できる

日照時間が長いため、日中は照明をつける必要がない場合が多く節電効果が期待できます。

  • 視覚的快適性: 人工光(LED)よりも自然光の方が演色性が高く、肌の色や食事、インテリアの色が綺麗に見えます。
  • 在宅ワークへの影響: 自然光は「体内時計」を整えるため、日中のパフォーマンス向上に寄与します。
  • 節電: 照明代そのものは数百円の差ですが、日中の「電気をつけっぱなしにしている」という心理的負担がありません。

メリット3:洗濯物が乾きやすい

特に忙しい20〜30代にとって、家事の時短は重要です。

  • スピード乾燥: 日当たりの良い南向きのバルコニーなら、冬場でもしっかり乾かせます。生乾きによる雑菌の繁殖を抑えられるため、柔軟剤の香りが引き立ちます。
  • 布団干しに最適: 太陽の熱でダニの活動を抑え、ふかふかの布団で眠れるのは南向きならではの特権です。
  • 浴室乾燥機の代用: 高額な電気代がかかる浴室乾燥機を回す回数が減り、トータルの家計管理が楽になります。

デメリット1:夏は室温が上がりやすい

メリットの裏返しとして、夏場の暑さは深刻です。

  • 温室効果: 窓から入る強いエネルギーが室内に熱を閉じ込め、冷房が効き始めるまでに時間がかかります。
  • 遮熱対策のコスト: 遮光1級カーテンや、窓に貼る遮熱フィルムなどの購入費用が別途かかるケースも。
  • 夏場の電気代: 冬に節約した分が、夏場のハイパワー冷房で相殺されてしまうことも。特に最上階の南向きは「屋上の熱」も加わり、かなりの酷暑になります。

デメリット2:家具や床・壁紙が日焼けしやすい

強すぎる日光は、大切な持ち物にダメージを与えます。

  • 劣化の進行: お気に入りの家具の布地が色あせたり、革が乾燥してひび割れたりするリスクがあります。
  • 内装のダメージ: 壁紙が日に焼けて変色したり、窓際のフローリングが直射日光で乾燥し、ささくれや変色を起こす場合があります。
  • ポスターや本: 壁に飾ったアートや、本棚の背表紙が数ヶ月で真っ白に焼けてしまうことがあります。

デメリット3:他の向きより家賃が高い傾向

やや高めに設定された家賃によるコスト増は、2年間住むと大きな差になります。

  • 固定費の比較: 仮に月5,000円の差がある場合、2年間(24ヶ月)で12万円の差。これは1ヶ月分の家賃や、最新家電の購入費用に匹敵します。
  • 物件の取捨選択: 「南向き」にこだわらなければ、同じ家賃でもうワンランク上のエリアや、最新設備の整った築浅物件に住める可能性が生まれます。

図解|季節・時間帯で見る南向きの日当たりの変化

南向きの部屋は「一年中明るい」と思われがちですが、実際は季節や時間帯によって光の入り方が大きく変化します。

夏の日当たり:太陽が高く直射日光は控えめ

夏至前後、東京付近では南中高度は約78度まで上がります。太陽がほぼ真上に近い位置を通るため、光は上から差し込む形になります。

特徴

  • 庇(ひさし)や上階のベランダがある場合、直射日光は室内奥まで入りにくい
  • 設計次第では、夏は直射を遮りやすいのが南向きの利点

注意点

  • ベランダや外壁、地面からの照り返し(反射熱)で室温は上昇する
  • 窓の断熱性能が低いと熱が伝わりやすい

「南向き=夏は灼熱」というより、日射遮蔽ができるかどうかが重要です。

冬の日当たり:太陽が低く部屋の奥まで暖かい

冬至前後、東京付近では南中高度は約31度まで下がります。太陽が低い位置を通るため、光は斜めから深く差し込みます。

特徴

  • 夏は影だった部屋の奥まで日差しが届きやすい
  • 窓から入った光が床面を温め、室温上昇に寄与する

効果

この低い角度の日射取得は、冬の暖房負荷を軽減する効果が期待できます。南向きが「冬に暖かい」と言われる理由はここにあります。
※実際の室温は断熱性能・窓性能・周辺建物の影響を受けます。

朝・昼・夕方で変わる光の入り方

南向きの明るさは、時間とともに緩やかに変化します。

  1. 朝(〜9:00)
    太陽は東寄りにあるため、直射は入りにくい。寝室用途には「まぶしすぎない」メリットがあります。
  2. 昼(10:00〜14:00)
    太陽が南側の高い位置を通るため、室内が最も明るい時間帯。家事や仕事に最適なゴールデンタイムです。
  3. 夕方(15:00〜)
    太陽は西側へ移動。西側に窓がない限り、西日は直接入らず、穏やかに暗くなっていきます。

他の方角(東・西・北)との違いを比較

賃貸の部屋探しにおいては、方角が持つ「独自の強み」を知ることが重要です。日当たり条件は家賃相場に直結するため、あえて南向きを外すことで、同じ予算でも駅近や築浅といった好条件の物件を選べるケースが多々あります。

「南向きが一番」というこれまでの常識を一度リセットしてみると、実はあなたにとって「もっと心地いいお部屋」が他の方角で見つかるかもしれません。

方角特徴向いている人
東向き朝一番の光が入り、午前中が最高に明るい。朝型生活の人。日光を浴びてスッキリ目覚めたい人。
西向き午後から夕方に強い光が入る。冬の夕方は暖かい。夜型の人。冬の寒さを避けたい冷え性の人。
北向き直射日光はないが、安定した反射光が入る。在宅ワーカー(モニターの反射を防ぎたい)。家賃重視。
南向き一日中明るく、冬の暖かさが抜群。日中家にいる時間が長い人。洗濯物が多い人。

東向き:朝に明るく午前中が快適

東向きの部屋は、朝型の生活スタイルを送りたい人に向いている方角です。

太陽が昇る方角である東向きは、早朝から午前中にかけて最も明るい日差しが入ります。

  • メリット: 東向きは朝日が入りやすいため、『自然光で目が覚めやすい』『体内時計が整いやすい』『午前中の活動スイッチが入りやすい』といったメリットがあります。
  • 注意点: 午後からは日影になるため、冬場の午後は室温が下がりやすい側面があります。
  • 夏場の環境: 午前中に気温が上がりきりますが、午後は比較的涼しく過ごせるため、冷房効率が良いのも特徴です。

西向き:午後〜夕方に明るく西日が強い

午前中はゆっくり寝ていたい「夜型派」や、冬の寒さを極端に嫌う「冷え性派」には西向きが適しています。

西向きの部屋は、午後から日没にかけて強烈な光が入るのが特徴です。

  • メリット: 冬場は夕方遅くまで部屋が暖かく保たれるため、夜の暖房代を節約できる経済的なメリットがあります。
  • 注意点: 夏の「西日」には注意が必要です。低い角度から差し込む日光は部屋の奥まで熱を運び、夜になっても室温が下がらない原因になります。
  • 活用法: 一人暮らしで夕方以降に帰宅し、冬の暖かさを重視したい人にとっては、家賃も抑えやすく魅力的な選択肢となります。

北向き:一日を通して安定した明るさ

在宅ワークでPC作業が多い人や、固定費を最小限に抑えたい実利派の人に向いている方角です。

「北向きは暗い」と思われがちですが、実際には直射日光が入らないだけで、一日中「安定した反射光」が入ります。

  • メリット: 光の変動が少ないため、画面への映り込みを嫌うエンジニア、デザイナー、ゲーマーにとっては、むしろ南向きより作業に集中しやすい環境です。本や衣類の日焼けも防ぐことができます。
  • コスト: 家賃設定が最も低いため、浮いたお金を趣味や家具の購入に充てることができます。
  • 対策: 結露や湿気のリスクは、現代の24時間換気システムや除湿機を併用することで十分にカバー可能です。

方角別の日当たり・家賃・特徴比較表

家賃の安さ、朝の目覚めの良さ、あるいは仕事への集中しやすさなど、何を優先するかでおすすめの方位はガラリと変わります。各方角が持つ「日当たりのピーク」と「家賃の傾向」「主な特徴」を一覧にまとめました。

自分の毎日のルーティンを思い浮かべながら、最適なバランスを見つけてみてください。

方角日当たりのピーク家賃相場各方角の主な特徴
南向き10時〜16時高い日照時間が長く、冬も暖かいが、夏は室温が上がりやすい。
東向き6時〜11時普通早朝から午前中が明るく、午後は早めに室温が下がる。
西向き13時〜日没やや安い午後から夕方にかけ光が入り、冬の夕方も暖かさが残る。
北向きなし(安定)安い直射日光はないが、一日中光の変化が少なく落ち着いている。

南向きでも後悔しないための内見チェックポイント

賃貸サイトのスペックに「南向き」とあっても安心してはいけません。内見での現地確認を怠ると、入居後に「期待していたほど明るくない」「想像以上に暑い」といった失敗を招く原因になります。

窓の大きさ・種類・位置

日当たりの良さを左右するのは、部屋の方位だけでなく、光の入り口である窓の「有効面積」と、外気を遮る「断熱性能」です。

  • 窓のサイズと高さ: 天井近くまである「ハイサッシ」や、横に広い「ワイドスパン」の窓であれば、南向きの光を最大限に室内に取り込めます。
  • ペアガラス(複層ガラス)の有無: 南向きは日差しが強いため、窓の断熱性が低いと夏は灼熱、冬は激しい結露に悩まされます。二重構造のガラスかどうかを必ずチェックしてください。
  • 窓の位置と家具配置: 窓が壁のどの位置にあるかによって、光の届く範囲が変わります。希望の家具を置いたときに光を遮らないか、実際の生活動線をイメージしましょう。

ベランダ・バルコニーの奥行きと庇の有無

南向きの快適さをコントロールするのはバルコニーの形状であり、特に「庇(ひさし)」の深さが一年を通した住み心地を決定づけます。

  • 庇(ひさし)の深さ: 庇が深い物件は、夏の高い位置にある太陽光をカットし、冬の低い角度の光を部屋の奥まで通してくれるため、季節を問わず快適に過ごせます。
  • ベランダの奥行きと照り返し: ベランダの奥行きが広すぎると、階数によっては室内に光が届きにくい場合があります。逆に狭すぎると、夏場の直射日光がダイレクトに室内を熱してしまいます。
  • 手すりの素材: バルコニーの手すりがコンクリート壁か、格子状・透明なパネルかによって、室内に差し込む光の量や、座ったときの開放感が大きく変わります。

周囲の建物・樹木による日陰の影響

方位が「南」であっても、窓の正面に光を遮る障害物があれば、実質的な日照時間はゼロに等しくなってしまいます。

  • 隣接建物の高さと距離: 窓のすぐ目の前にビルやマンションがある場合、南向きというスペックとは裏腹に、一日中日陰になってしまう「壁ビュー」の恐れがあります。
  • 冬場の影の伸び方: 冬は太陽の高度が低いため、数階建てのビルでも驚くほど長い影を落とします。内見時の瞬間的な明るさだけでなく、一日を通した影の影響を予測しましょう。
  • 将来の建設予定: 目の前が空き地や駐車場の場合、将来的に大きな建物が立つ可能性があります。不動産会社の担当者に、近隣の建築計画がないか確認しておくと安心です。

内見は晴れた日の午前と午後に行う

光の移ろいや時間帯による影の変化を正確に把握するため、可能であれば最も明るい「正午前後の時間帯」を狙って訪問しましょう。

  • 時間帯による光の変化: 午前中に明るくても、午後に隣のビルの影に入るケースは珍しくありません。一回しか内見できない場合は、スマホの方位磁石アプリ等で影の伸び方をシミュレーションしましょう。
  • 照明オフでの確認: 不動産屋さんが点けてくれた照明を一度すべて消してみましょう。自然光だけでどの程度明るいかを確認することが、入居後の「思ったより暗い」という後悔を防ぐ最大のコツです。

晴れの日の内見では「最大光量」と「夏の暑さリスク」を確認できますが、あえて曇りの日に内見することで、照明なしで過ごせる「最低限の明るさ」が判明します。どちらの天候であっても、その条件で自分が快適に過ごせるかを基準に判断することが重要です。

ライフスタイル別|おすすめの部屋の向き

一般論に惑わされず、「自分は部屋でどう過ごすか」から逆算して最適な方位を選びましょう。

  • 日中在宅が多い・洗濯重視の人
    • おすすめ:南向き
    • 理由:在宅勤務や家事など、日中に部屋で活動するなら南向きの恩恵をフルに受けられます。洗濯効率も最大化されます。
  • 朝型の生活を送りたい人
    • おすすめ:東向き
    • 理由:自然な日光でスッキリ起きたい人に最適です。午前中に活動のピークを持ってくることで、仕事や勉強のパフォーマンスが向上します。
  • 日中は外出が多く夜に活動する人
    • おすすめ:西向き・北向き
    • 理由:日中不在なら南向きの家賃プレミアムは無駄になります。安い家賃で固定費を抑え、夜の趣味を充実させる方が合理的です。
  • 在宅ワークで集中したい・静音性重視の人
    • おすすめ:北向き
    • 理由:直射日光によるPC画面の反射や室温の急上昇がなく、落ち着いた光環境で長時間のデスクワークに没頭できます。

南向き物件のよくある質問Q&A

南向きと南東・南西向きはどちらがいい?

A.朝の光を重視するなら「南東」、午後の暖かさを重視するなら「南西」がおすすめです。

真南にこだわらなくても、南東なら朝の爽やかな光を、南西なら冬の午後の暖かさを取り込めます。自分の活動時間が午前・午後のどちらに寄っているかで判断しましょう。

角部屋なら南向きでなくても明るい?

A.はい。二面採光になることで、北向きや西向きでも開放感と明るさは大幅にアップします。

たとえ北向きでも、東側に窓がある角部屋なら午前中の光が入るため、中部屋の南向きよりも快適に感じるケースがあります。「方位×角部屋」の組み合わせで探すと、相場より安い掘り出し物件が見つかりやすくなります。

夏の暑さ対策はどうすればいい?

A.「遮熱カーテン」と「サーキュレーター」の併用が必須です。

南向きの夏は過酷です。断熱効果の高い1級遮光カーテンを選び、窓とカーテンの間に熱を閉じ込めましょう。また、サーキュレーターで天井の熱い空気を循環させるだけで、冷暖房効率は劇的に改善します。

「南向き信仰」は本当に正しい?

A.現代の「高断熱・高気密マンション」においては、かつてほど絶対的ではありません。

昔の木造住宅は寒かったため南向きが必須でした。しかし現代のRC造マンションは気密性が高く、共働きで日中不在なら南向きに固執する意味は薄れています。常識よりも「自分のライフスタイル」を基準に選ぶのが、令和の失敗しない部屋選びです。

まとめ:南向きは「自分の生活に合うか」で判断しよう

南向きの部屋は、冬の暖かさや安定した明るさ、洗濯物の乾きやすさといった、日々の暮らしの質を高める確かなメリットを持っています。しかし一方で、夏場の暑さや家具の日焼け、そして比較的高い家賃設定という「コスト」も無視できません。

部屋探しにおいて大切なのは、「南向きが最高」という世間の常識に流されるのではなく、自分の生活リズムに照らし合わせて判断することです。日中外出が多いなら家賃の安い他の方角を、家に居る時間が多く冬の寒さが苦手なら投資として南向きを選ぶ。この「比較と判断」こそが、後悔しないお部屋探しの鍵となります。

この記事を参考に、あなたにとって本当に心地よい「ベストな向き」を見つけてください。

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