賃貸物件を探していると、「和室のある部屋はやめとけ」という意見を耳にすることがあります。しかし、和室にはデメリットだけでなく、メリットも多く存在します。
本記事では、和室の賃貸物件を避けるべき理由と、その一方で和室が持つ魅力について詳しく解説します。和室の賃貸が向いている人や、選ぶ際のポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

和室の賃貸はやめとけ?畳が気持ち悪い?避けるべき理由とは?
和室は独特の魅力を持つ一方で、デメリットも多く、特に現代のライフスタイルに合わないと感じる人も少なくありません。ここでは、和室の賃貸を避けるべきとされる主な理由について解説します。
和室の賃貸は避けるべき理由[1]:埃が溜まりやすい
畳は繊維でできており、表面に細かい隙間があるため、埃やゴミが溜まりやすい構造になっています。また、畳の隙間にダニが繁殖しやすく、アレルギーの原因となることもあります。特にカーペットや布製の家具を多く置くと、埃が舞いやすくなるため、こまめな掃除が必要になります。
和室の賃貸は避けるべき理由[2]:シミやカビができやすい
畳は湿気を吸収しやすい素材のため、湿度が高い季節にはシミやカビが発生しやすくなります。特に、換気が不十分な部屋では畳の裏にカビが生えることがあり、気づいたときには広範囲に被害が及んでいるケースもあります。また、日当たりの悪い部屋の畳の上にカーペットを敷いたり、布団を敷きっぱなしにしていると湿気が溜まりカビが発生してしまうこともあるようです。
部屋の風通しを良くする、定期的に窓を開けて換気する、梅雨時期は除湿器などで湿度を調整するなど、適切な湿気対策を行うことでシミやカビの発生の発生は防ぐことができます。湿気対策を怠ると、畳の劣化が早まるため注意しましょう。
和室の賃貸は避けるべき理由[3]:退去費用が高額になりやすい
対応 | 目安金額 |
---|---|
畳の表替え | 4,000~9,000円 / 1畳 |
畳の裏返し | 4,000~6,000円 / 1畳 |
障子の張替え | 2,000~4,000円 / 1枚 |
ふすまの張替え | 2,000~3,000円 / 1枚 |
賃貸物件では、退去時の原状回復費用が発生しますが、和室の場合、畳の張替えが必要になることが多く、その費用が高額になる可能性があります。特に、畳の汚れや傷がひどい場合は、1枚あたり数千円〜1万円以上の費用がかかることもあります。
国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』によると、畳の表替えや襖の張替えは、基本的に大家負担となっていますが、実際は、特約で入居者負担に変更されているケースが多くあります。その場合、広い部屋ほど枚数が増えて高額になるため、契約時にしっかりと確認することが重要です。
また、入居者負担の特約付きでなくても、故意・過失による汚損の原状回復は入居者負担となるため注意が必要です。
和室の賃貸は避けるべき理由[4]:古い物件が多い
和室がある賃貸物件は、築年数が古いことが多いため、設備の老朽化が進んでいる可能性があります。古い物件は断熱性や防音性が低いことがあるため注が必要です。
近年、日本人の暮らしの変化に合わせて、新しく建てられる物件には和室がない場合が多く、古い物件も和室を洋室にリフォームしているパターンが増えています。そのため、和室の賃貸物件の多くは、リフォームしないまま残っている古い物件ということになるのです。
和室の賃貸の魅力とは?メリットも解説
和室にはデメリットがある一方で、メリットも多く存在します。家賃が安い、収納スペースが豊富、日本の気候に適しているなど、和室ならではの利点も魅力的です。本章では、和室の賃貸の良い点について詳しく説明していきます。
和室の賃貸のメリット[1]:家賃が安い物件が多い
和室がある賃貸物件は、洋室の物件に比べて家賃が安く設定されていることが多いです。特に、リフォームがされていない物件では、同じ広さの洋室と比べて数千円〜1万円ほど安くなることもあります。
とにかく安く抑えたい、駅からの距離や立地の利便性を優先したいなど、他に譲れない条件がある場合は、家賃の安さは大きなメリットです。
和室の賃貸のメリット[2]:収納スペースが豊富
和室には押し入れがあることが多く、収納スペースが広いため、荷物が多い人には適しています。押し入れは天井まで高さと、畳んだ布団を収納できる奥行があるため、洋室のクローゼットよりも収納力が高いのが特徴です。
部屋に収納家具を置きたくない、荷物が多い、季節家電などの大きなものを収納したい場合には、和室の収納力は魅力的です。
和室の賃貸のメリット[3]:レイアウトのアレンジがしやすい
畳の部屋は、様々な用途に使えます。畳はクッション性があるため、冬はこたつを出して居室として使ったり、疲れた日はそのまま寝転がったり、客間として利用したり、気分次第で使い方は自由自在です。
また、家具の配置を自由に変えやすいのも魅力です。布団を敷けばベッドが不要になり、昼間は部屋を広々と使うことができます。和室を洋室風にアレンジしたり、あえて和室の良さを活かしたアレンジをしたりと、幅広いインテリアスタイルを楽しむことができる点も魅力です。
<和室の使用例>
- 布団を敷いて純日本風の暮らしを楽しむ
- 和室を洋室風にアレンジ
- 和室の良さと洋風インテリアをミックス
- こたつやローテーブルを置いて居間として利用
- 気軽に寝転がれるリラックススペースにする
- 両親や友人が来た際に客間として利用
和室の賃貸のメリット[4]:日本の気候に合っている
畳は湿気を吸収し、乾燥時には放出するため、日本の四季に適した素材です。夏は涼しく、冬は暖かさを感じやすいという特徴があります。
和室は畳の持つ空気の層が断熱材の役割をしてくれるため以下のような人におすすめです。
- エアコンの風が苦手
- 光熱費を抑えたい
和室の賃貸のメリット[5]:生活音が抑えられる
畳は高いクッション性があり、足音などの衝撃音を吸収してくれます。そのため、階下へ響く足音を軽減する効果があります。また、畳の音を吸収する性質によって、室内での生活音も軽減され、落ち着いた空間を作りやすいです。足音などの騒音が元でのトラブルを避けやすい点は和室賃貸の大きなメリットです。
一方、隣室の音は響きやすいため注意が必要です。和室物件は壁が薄いケースが多いので、内見時などに防音性を確かめておくと良いでしょう。
和室の賃貸はこんな人におすすめ!
和室の賃貸はどんな人に向いているのでしょうか?家賃を抑えたい人、畳の生活に慣れている人、広々とした空間で快適に過ごしたい人など、和室が向いているタイプの人を紹介します。
自分のライフスタイルに合うかどうかチェックしてみましょう。
和室の賃貸はこんな人にオススメ1:家賃を抑えたい人
和室の賃貸は、家賃を抑えたい人にとって非常に魅力的な選択肢です。和室のある物件は築年数が古いことが多く、洋室にリノベーションされていない分、家賃が安く設定されていることが多いです。特に都市部では、同じ間取り・広さの洋室と比べて数千円〜1万円ほど安いこともあります。
また、初期費用や敷金・礼金が抑えられるケースも多く、引っ越し費用を節約したい人にも向いています。和室の物件を選ぶことで、家賃を節約しつつ、広めの部屋に住める可能性があるのもメリットです。賃貸コストを抑えて貯金をしたい人や、家具や生活費に予算を回したい人には、和室の賃貸がおすすめです。
和室の賃貸はこんな人にオススメ2:和室の生活に慣れている人
和室の賃貸は、畳の生活に慣れている人や、畳の風合いを好む人におすすめです。畳はクッション性があり、フローリングよりも柔らかいため、床に直接座る生活に適しています。日本の伝統的な暮らしに親しんでいる人にとっては、落ち着ける空間になりやすいです。
また、布団を敷いて寝る習慣がある人にも和室は最適です。ベッドを置かずに布団を使用することで、日中は畳の部屋を広々と使うことができます。さらに、和室特有の押し入れは収納力が高いため、布団や季節ごとの衣類を収納しやすいのも大きなメリットです。
畳の手入れに慣れている人や、こまめに掃除ができる人であれば、和室のデメリットを気にせず快適に暮らせるでしょう。
和室の賃貸はこんな人にオススメ3:広々とした生活空間を確保したい人
和室の賃貸は、できるだけ広い部屋に住みたい人におすすめです。和室は、フローリングの洋室と比べて同じ家賃でも広めの間取りが多いため、よりゆとりのある生活空間を確保できます。特に、1Kや1DKの狭い洋室と比べると、和室付きの物件のほうが広く感じられることが多いです。
さらに、畳の部屋はレイアウトを自由に変えやすいのもポイントです。布団を使えばベッドを置く必要がなくなり、部屋のスペースを有効に活用できます。また、座布団や座椅子を活用すれば、フレキシブルな使い方ができるのも魅力です。
広い部屋を求めつつも、コストを抑えながら暮らしたい人には、和室の賃貸が適しています。特に、広々とした空間でリラックスしたい人や、開放感のある住まいを求める人にとって、和室は理想的な選択肢となるでしょう。
和室の賃貸はこんな人にオススメ4:足音が気になる人
和室の賃貸は、歩いたときの音が響きにくく、階下への騒音を軽減する効果があります。フローリングの場合、歩いたときの音が響きやすいですが、畳の上ではクッション性があるためそのような心配が少なくなります。
よって足音に敏感な人におすすめです。また、賃貸物件の上階に住む人にとっては、足音による騒音トラブルを避けやすい点も大きなメリットです。集合住宅では、隣人との騒音トラブルが問題になりやすいですが、畳の部屋なら生活音を抑えながら過ごせます。
和室の賃貸を選ぶ際のポイント
和室の賃貸を選ぶ際には、築年数や設備の状態、周辺環境などをしっかり確認することが大切です。特に、畳の状態や張替えの有無は重要なポイントです。本章では、和室の物件選びで後悔しないためのポイントを解説します。
和室の賃貸を探す際の注意点[1]:築年数、設備の古さ
和室のある賃貸物件は、築年数が古い場合が多いです。築年数の古い物件では、水回りや電気設備が老朽化していることがあるため、事前に確認しましょう。
和室の賃貸を探す際の注意点[2]:周辺環境
湿気がこもりやすい地域では、畳のカビや劣化が進みやすくなるため、通気性の良い物件を選ぶことが重要です。内見の際は、部屋の日当たりや風通しをしっかりとチェックしましょう。
和室の賃貸を探す際の注意点[3]:畳の張替え
和室は退去時の原状回復費用が高くなる傾向にあります。事前に畳や襖の張替え費用は貸主・入居者どちらの負担になるかか確認しておくことが重要です。なるべく退去時の負担を減らしたい場合は、張替え費用が貸主負担の物件を選ぶようにしましょう。
和室の賃貸で快適に過ごすためのコツ
和室の賃貸を選んだ場合、どのようにすれば快適に暮らせるでしょうか?畳の湿気対策や掃除のコツ、家具の配置方法などを工夫することで、より快適な和室ライフが実現できます。ここでは、和室で快適に暮らすためのポイントをご紹介します。
和室の賃貸で快適に過ごすためのポイント[1]:湿気対策をする
「定期的に窓を開け換気を行う」「除湿機やすのこを活用する」など湿気対策を徹底することで畳のカビやシミを防ぐことができます。
和室の賃貸で快適に過ごすためのポイント[2]:汚したときはすぐに掃除する
畳は汚れを吸収しやすいため、こぼした飲み物や汚れはすぐに拭き取り、清潔に保つことが大切です。また、畳の隙間のホコリは掃除機で吸いづらいため、その点も注意が必要です。
和室の賃貸で快適に過ごすためのポイント[3]:家具による畳のへこみ対策
畳は、重い家具などを置くことによってへこみ跡が付きやすいです。特にベッドやタンス・机などの大型家具を配置する場合は頻繁に動かさないため畳がへこみやすいです。
へこみがひどい状態だと、退去費用が高額になってしまう恐れがあります。畳のへこみを防ぐためには、家具の脚にフェルトやゴムマットなどを敷くと良いでしょう。
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