賃貸物件を選ぶ際に「築年数」は重要なポイントの一つです。築年数によって設備の状態や耐震性、家賃の価格帯が異なり、快適な住環境に影響を与えます。築年数の目安を知ることで、コストと快適さのバランスを考慮した賃貸物件選びが可能になります。
本記事では、築年数ごとの特徴や、古い物件・新しい物件それぞれのメリット・デメリット、そして築年数が古い物件を選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。

賃貸物件の築年数の重要性とは?
賃貸物件を選ぶ際に築年数はどのように影響するのでしょうか?築年数が経過すると、建物の劣化や設備の老朽化が進み、住み心地や安全性に大きく影響しますが、その分家賃が安くなるなどのメリットもあります。
ここでは、築年数がどのように物件の価値や住環境に影響を与えるのかを詳しく解説します。
築年数による影響
賃貸物件の経年劣化の影響
築年数が長い物件では、壁や床、給排水設備などの老朽化が進んでいる可能性があります。特に、築30年以上の物件では、定期的なメンテナンスがされていないと、水漏れや断熱性能の低下が発生することもあります。
賃貸物件の家賃と築年数の関係
築年数が古くなるほど家賃は安くなる傾向があります。築10年未満の新しい物件は家賃が高めですが、築20~30年経過した物件は価格が抑えられ、コストパフォーマンスの良い選択肢となることが多いです。
賃貸物件の耐震基準と築年数の重要性
1981年に耐震基準が改正され、新耐震基準が導入されました。築40年以上の物件では旧耐震基準のまま建築されているケースがあるため、耐震性が気になる方は新耐震基準を満たしている物件を選ぶと安心です。
賃貸物件の築年数の目安は何年?
賃貸物件を選ぶ際、築年数はどの程度を目安にすればよいのでしょうか?築10年、築20年、築30年以上の物件にはそれぞれ特徴があり、ライフスタイルや予算に応じた選び方が求められます。本章では、築年数ごとの特徴について詳しく解説します。
築10年未満の最新設備が充実した賃貸物件
築10年未満の物件は、最新の設備や高い耐震基準が採用されており、快適に生活しやすいのが特徴です。オートロックや宅配ボックス、最新のシステムキッチンなど、利便性の高い設備が充実している点が魅力です。
また、築浅物件は古い物件と比べると、間取りや収納も進化し工夫がなされています。多少家賃が高くなっても、便利で使い勝手が良い部屋に住みたい方におすすめです。
築20年未満の耐震性に特化した賃貸物件
築20年未満の物件は、新耐震基準に準拠しており、耐震性が高く安心して住むことができます。なお、2000年6月には、木造住宅を対象に新耐震基準が見直され、さらに弱点が強化されました。
築10年未満の物件よりも家賃が安くなり、コストと快適さのバランスが取れた物件が多いです。
築30~40年未満の家賃が安い賃貸物件
一般的に築30年以上の物件は、建物や設備の経年劣化が起こるため、家賃が安くなる傾向にあります。新築物件の家賃相場と比較すると、築30年は3割、築40年は4割ほど安い相場となっています。
建物や設備の老朽化に不安を感じるかもしれませんが、定期的なリフォームやリノベーションが施された物件を選ぶことで、快適な生活を送ることも可能です。
とにかく安さ重視の方、建物の外観にこだわらない方は、築30年以上の物件は狙い目です。
古い賃貸物件の築年数による3つのメリット
築年数が古い物件にはデメリットばかりがあると思われがちですが、実は大きなメリットもあります。家賃の安さやリノベーションの可能性、物件選びの幅が広がる点など、築年数が古い物件ならではの利点を解説します。
家賃の割引
築年数が古い物件の最大のメリットは、家賃が安いことです。同じエリア・広さでも、築年数が古い物件は新築に比べて大幅に家賃が下がることが多いです。また、礼金などの費用交渉に応じてくれる大家さんも少なくありません。
とにかくコストを抑えたい!という方にはおすすめの選択肢です。
リノベーションされた美しい物件
築年数が古い物件の中には、リノベーションされて設備が最新化された物件もあります。内装が新築同様にきれいになっているケースも多く、築年数にこだわらない人にとっては魅力的な物件といえます。
外観や築年へのこだわりを捨てることで、家賃コストを抑えつつ綺麗な内装や設備の整った部屋で暮らすことが可能です。
物件選びの幅が広がる
新築や築浅の物件は数が限られますが、築年数が古い物件は選択肢が広がります。特に、広い間取りやレトロな雰囲気の物件を求める人には最適です。最近は物件の持つレトロ感を活かしたインテリアを楽しむ方も多いです。
また、新築・築浅物件と比べ、競争率も低いのでじっくり時間をかけて部屋探しができます。
古い賃貸物件の築年数による3つのデメリット
築年数が古い物件には、設備の老朽化や耐震性の問題など、注意すべき点もあります。ここでは、新築物件と比較しながら、古い賃貸物件におけるデメリットを詳しく説明します。
新築物件よりも設備が劣る
古い物件では、設備が古く使い勝手が悪いことがあります。特に、バス・トイレ別でない、エアコンが古いなど、設備面のデメリットが発生し、日々の暮らしの中で不便を感じる可能性が高いです。また、独立洗面台や温水洗浄便座、オートロックなど新しい物件では当たり前で備え付けられている設備がない場合が多いです。
耐震性が低い可能性
築40年以上の物件では、旧耐震基準で建設されているものがあり、耐震性に不安が残ります。地震が多い地域では、新耐震基準を満たした物件を選ぶ方が安心して暮らせます。なお、1981年以降であれば、耐震基準を満たしている場合が多いです。契約前に確認しておくと良いでしょう。
防音性能が不十分
古い賃貸物件は壁が薄く、防音性能が低い場合があります。近隣住民の生活音が気になる人は、遮音性の高い物件を選ぶか、防音対策を講じる必要があります。
また、防音性に加えて断熱性も低い傾向にあります。断熱性が低いと、部屋の気温が屋外の気温の影響を受けやすいため、暑さ・寒さがストレスになったり、電気代が高くなる恐れがあります。
新しい賃貸物件の築年数による3つのメリット
新築や築浅の賃貸物件には、最新設備の充実、耐震性能の向上、清潔な環境など、多くのメリットがあります。快適な住環境を求める方に向けて、新しい賃貸物件のメリットを詳しく解説します。
最新の設備が整っている
築浅の賃貸物件では、最新のシステムキッチン、浴室乾燥機、温水洗浄便座、オートロックなどが標準装備されていることが多いです。特に新築物件では、省エネ設備やスマートホーム機能が導入されているケースもあり、快適性が向上します。
断熱性能・防音性能・耐震性能が高い
新しい物件は、最新の建築基準に基づいて設計されているため、断熱性や防音性に優れています。特にマンションタイプでは、二重窓や高密度の壁材が使用され、外部の騒音を遮断しやすくなっています。これにより、エアコンの効率が向上し、光熱費の節約にもつながります。
また、最新の耐震基準に適合しており、地震への耐性も強化されています。特に、2000年以降に建設された物件は「新耐震基準」に適合しているため、地震の多い地域では安心して暮らすことができます。
建物や設備の劣化が少ない
築浅の物件では、水回りや外壁、内装などの老朽化が少なく、トラブルが発生しにくいという利点があります。設備が新しいため、修理や交換の必要が少なく、快適に生活を送ることができます。築年数が経っても、長期間快適に住める点が特徴です。
新しい賃貸物件の築年数による3つのデメリット
新しい賃貸物件には多くのメリットがある一方で、家賃の高さや契約の条件など、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、新築・築浅物件を選ぶ際に注意すべきデメリットをご紹介します。
家賃が高く、初期費用がかかる
新築や築浅の物件は、設備の充実度や立地の良さから家賃が高めに設定されることが多いです。また、敷金・礼金が高額になる場合があり、入居時の初期費用が負担になりやすい点も注意が必要です。
また、新築物件は、築年数が経つにつれて徐々に家賃が下がる傾向があります。しかし、築5~10年程度までは大きな値下がりが期待できず、同じエリアの築古物件に比べてコストパフォーマンスが低くなることがあります。
入居希望者が多く、競争率が高い
築浅物件は人気が高く、希望するエリアではすぐに埋まってしまうこともあります。特に新築物件は、募集が開始されるとすぐに申し込みが入ることが多く、内見の予約すら取れないケースもあります。そのため、迅速に情報を入手し、素早く決断する必要があります。
新築特有の「におい」が気になることも
新築の物件では、建材や接着剤の影響で「新築特有のにおい」が発生することがあります。換気をしっかり行えば数ヶ月で落ち着きますが、シックハウス症候群が気になる人にとってはデメリットになり得ます。
築年数が古い物件を選ぶ際のポイント
築年数が古い物件を選ぶ際は、どのような点をチェックすればよいのでしょうか?適切なメンテナンスが行われているか、不審な居住者がいないかなど、快適に暮らすためのポイントを解説します。
適切なメンテナンス体制の確認
古い物件を選ぶ際には、管理会社やオーナーがしっかりとメンテナンスを行っているかを確認することが重要です。お部屋の配管の交換など適切に行われているかをチェックしましょう。「水回りリノベ済」などの記載があれば、配管はメンテナンスされています。メンテナンスがなされている物件は、築年が経っても住みやすく、住んだ後のトラブル発生時にもきちんと対応してくれる可能性が高いです。
また、建物の管理状態は、駐輪場やゴミ捨て場、ポストなどの共用部をチェックすることでも確認できます。内見時には忘れずチェックするようにしましょう。
不審な居住者のチェック
築年数が古い物件では、家賃が安いために不審な住民がいるケースもあります。内見時に物件の周辺環境や住民の雰囲気を確認すると安心です
<住民民度チェックポイント>
- 共用部に騒音などの住民トラブルに関する張り紙がないか
- ゴミ出しマナーが守られているか
- ベランダやポストが荒れていないか
- 共用部(廊下など)に私物が放置されていないか
築年数に関するよくある質問
賃貸物件の築年数について、よくある疑問をまとめました。古い物件に住む際の注意点や、耐用年数を過ぎた物件のリスク、築50年以上の物件の安全性について詳しく解説します。
古い賃貸物件に住む際の注意点
築年数が古い賃貸物件に住む際は、設備の老朽化や管理状態に注意を払うのがポイントです。水回りや給排水設備、電気配線の老朽化が進んでいると、水漏れや電気トラブルのリスクが高くなるため、事前に確認しましょう。
また、壁や床の劣化が進んでいると、断熱性能や防音性が低下し、快適な生活が送りにくくなる可能性もあります。築年数が古い物件を選ぶ際には、事前に耐震性や設備の状態、管理体制などをしっかりチェックすることが重要です。
耐用年数を過ぎた賃貸物件の危険性
建物には「法定耐用年数」が定められており、木造住宅は22年、鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は47年とされています。耐用年数を過ぎた物件は、基礎や構造部分が劣化し、耐震性や安全性に問題が生じる可能性があります。
また、建物全体の修繕が行われていない場合、外壁のひび割れや雨漏り・配管の腐食などのトラブルが発生しやすくなり、住環境にリスクが伴う場合があります。契約前に管理状況を確認するようにしましょう。
50年以上経過した賃貸物件の安全性
築50年以上の賃貸物件は、耐震性や設備の老朽化が進んでいる可能性が高く、特に旧耐震基準(1981年以前)で建てられた物件は注意が必要です。地震が発生した際の安全性が低く、万が一のリスクが高まります。
また、建物自体の劣化に加え、水道管やガス管の老朽化によるトラブルが発生しやすいため、事前に定期的なメンテナンスが行われているか、耐震補強工事が実施されているかをチェックし、安心して住める環境かどうかを見極めましょう。
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