軽量鉄骨造の防音性は低い?騒音に悩まないための対策と構造の特徴

軽量鉄骨造の防音性は低い?騒音に悩まないための対策と構造の特徴

【監修】角名 達矢

(株)ホンネ不動産創業者、宅地建物取引士、不動産業界20年以上。22歳の時に就職した会社にて不動産業界の慣例・慣習があまりにもひどく衝撃を受け、実務を経験した後27歳で独立。TVメディアに多数出演。賃貸仲介・売買仲介ともに経験豊富です。

軽量鉄骨造の物件に住んでいると、騒音に悩まされることがあるという声をよく聞きます。軽量鉄骨造は本当に防音性が低いのでしょうか?
本記事では、軽量鉄骨造の構造や特徴、防音性に関して詳しく解説し、騒音トラブルを防ぐための対策方法についてもご紹介いたします。

そもそも軽量鉄骨造とはどんな構造なの?

軽量鉄骨造とは、その名の通り鉄を使用した構造ですが、柱や梁に使用される鋼材の厚みが6mm未満の建物のことです。

軽量鉄骨造の物件は主に低層のアパートや住宅に使われることが多く、構造上のメリットとして軽量なため、建設コストが抑えられる点が挙げられます。

アパート物件に使われている事が多い

軽量鉄骨造は、特に賃貸アパートの構造に多く使用されています。 理由としては、軽量でありながらも一定の強度があるため、コストパフォーマンスが良いことが挙げられます。施工期間も比較的短いため、デベロッパーにとって魅力的な選択肢といえます。

重量鉄骨造との違いについて

軽量鉄骨造と重量鉄骨造の大きな違いは以下のとおりです。コスト面では軽量鉄骨、造りの丈夫さや防音性では重量鉄骨が優れているといえます。

軽量鉄骨造の特徴

  • 柱や梁に使用される鋼材の厚みが6mm未満
  • 低層住宅やアパートなどの比較的小規模な建物に使われる
  • 建設コストが抑えられる
  • 施工が比較的簡単で、短期間で建設できる
  • 重量鉄骨や鉄筋コンクリート造に比べて耐震性・防音性が劣ることが多い

重量鉄骨造の特徴

  • 柱や梁に使用される鋼材の厚みが6mm以上
  • 高層マンションやオフィスビルなど、大規模な建物に使われる
  • 耐震性・防音性に優れている

軽量鉄骨造物件を選ぶメリットとデメリット

軽量鉄骨造には、家賃の安さや耐震性の高さなど多くのメリットがありますが、同時デメリットも存在します。

メリット①:マンションよりも家賃が安い

軽量鉄骨造のアパートは、通常、鉄筋コンクリート(RC造)のマンションと比較すると家賃が安いことが多いです。構造が軽量であり、建設コストが抑えられるため、結果として家賃も低くめに設定される傾向にあります。

特に都市部での賃貸物件探しでは、家賃を抑えたいというニーズに応えられるが軽量鉄骨造の強みです。

メリット②:木造アパートより耐震性と耐久性が高い

軽量鉄骨造のもう一つの利点は、木造アパートに比べて耐震性や耐久性が高い点です。 鉄骨は木材に比べて強度があり、地震に対しても耐えやすい構造になっています。火災時も木材より燃えにくいという特性があり、安全性の面でも優れています。

このため、長期的な居住を考えている場合には、木造よりも安心感があると言えます。

デメリット①:通気性が良いため断熱性は低い

鉄骨造、特に軽量鉄骨造は断熱性能が低く、室内の温度を安定させにくいという問題があります。鉄骨は湿気を吸収しないため、湿度管理が難しい場合もあります。

さらに、軽量鉄骨造は構造上、通気性が良くなることが多く、外気の影響を受けやすいです。

適切な断熱材を使っていない物件では、冬場は冷えやすく、夏場は暑くなりやすいという欠点があり、冷暖房費がかさむこともあります。

デメリット②:騒音トラブルになることがある

軽量鉄骨造の物件では、遮音性があまり高くないため、隣や上下階の生活音や足音、外部からの騒音が伝わりやすく、騒音トラブルになることが多い傾向にあり、騒音問題に悩む居住者も少なくありません。

防音対策が十分に行われていない物件では、快適な生活が難しい場合もあるため、事前に安全性をしっかりと確認することが重要です。

軽量鉄骨造の賃貸物件の防音性はどのレベル?

軽量鉄骨造の物件は、騒音トラブルが発生しやすいと言われていますが、実際の防音性はどの程度なのでしょうか?他の構造と比較しながら、その防音性について解説します。

木造(W造)との防音性の比較

軽量鉄骨造と木造アパートを比較すると、一般的には軽量鉄骨造の方が防音性が高いとされています。軽量鉄骨造でも、物件によっては十分な防音対策が取れていない場合もありますが、木造と比べると比較的音の漏れが少ないと感じることが多いです。

重量鉄骨造との防音性の比較

重量鉄骨造ではしっかりとした壁床が設置されていることが多く、外部の騒音も軽量鉄骨造に比べて遮断されやすいです。また、しっかりとした壁床が設置されていることが多く、外部の騒音も軽量鉄骨造に比べて遮断されやすいです。

防音性を重視する場合、軽量鉄骨よりは重量鉄骨造の方が安心できる選択肢と言えます。

鉄筋コンクリート造(RC造)との防音性の比較

鉄筋コンクリート造(RC造)は、賃貸物件の中で最も防音性が高いとされています。 コンクリートは音を通しにくい特性があり、厚い壁や床が音の伝達を大幅に抑えます。

比較すると、RC造の防音性は圧倒的に優れているため、理想的に音に敏感な人や、騒音を避けたい人にはRC造を選ぶと良いでしょう。

物件選びで確認すべき防音性のチェックポイント

実際に住んでから騒音に悩まされることがないように、物件を選ぶ際には、事前に防音性を確認しておくことが大切です。

ここでは、内見時に確認すべきポイントをいくつかご紹介します。

室内で音が反響するかをチェック

物件の防音性を確認する際、室内での音の反響は重要なポイントです。内見の際、手を叩いたり、軽く足を踏み鳴らしたりして、どの程度聞こえるか確認してみましょう。

この簡単なチェックで、室内の音の反響具合をチェックすることができます。

周辺環境の騒音レベルを確認

物件周辺の環境も重要な要素です。近くに交通量の多い道路や、工場、商業施設などがある場合、外部からの騒音に悩まされる可能性があります。

周辺環境の騒音レベルも内見時にしっかりと確認するようにしましょう。

内見時に窓やドアに隙間がないか確認

窓やドアに隙間があると、騒音が室内に入りやすく、室内の音も外に漏れやすくなります。また、冷暖房の効率も悪くなるため、住環境全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

内見時には窓やドアの隙間をしっかり確認し、必要な修繕を依頼することで、快適な居住環境を確保できます。

過去に騒音トラブルがなかったか確認

過去にその物件で騒音トラブルがあったかどうかも確認しておきたいポイントです。 その物件で以前に騒音問題が発生していた場合、防音性が低い可能性が高いです。

過去のトラブルは、個人の生活音や外部からの騒音が原因だったことが多く、これを事前に不動産屋や管理会社確認することで、同様の問題に悩まされるリスクを減らすことができます。

また、物件の管理状況や居住者のマナーも把握でき、快適な生活環境を選ぶことの一助となるでしょう。

手軽にできる部屋の防音性を高める方法5選

軽量鉄骨造の住まいで防音性を向上させるためには対策が必要です。まずは手軽にできる防音対策を取り入れていきましょう。ここでは、簡単にできる防音対策をいくつかご紹介します。

騒音対策は、家の構造だけでなく、住む人自身でも工夫できます。ぜひ実践してみてください。

防音対策① 床に防音マットやカーペットを敷く

床から伝わる音は、特に集合住宅ではトラブルになりやすいです。歩く音や家具を移動させる音などが階下に響く場合、床に防音マットやカーペットを敷くことが有効です。

これらの素材は、衝撃音を吸収し、音が下の階へ伝わるのを防いでくれます。防音マットは厚みがあるほど効果的であり、床全体に敷くことで効果を最大限に引き出すことができます。また、カーペットを重ねて使用することでさらに防音効果を高めることも可能です。

防音対策② 壁に防音シートやパネルを貼る

壁を通して隣室に音が伝わるのを防ぐために、専用の防音シートやパネルを取り付ける方法があります。

防音シートは比較的安価で、壁に貼るだけで音を吸収し、室内外の音漏れを減少させることが可能です。特に薄い壁や軽量鉄骨造では、音が伝わりやすいため、防音シートの使用は効果的です。

また、防音パネルはシートよりも厚みがあり、見た目もインテリアとしておしゃれに活用できる点が魅力です。防音パネルは吸音性が高いため、話し声やテレビの音などの生活音の漏れを大幅に軽減します。

防音対策③ 間仕切り壁面に背の高い家具を配置

防音性を高めるために、部屋のレイアウトを工夫することも一つの方法です。

間仕切り壁面に背の高い家具を配置することで、音が直接壁を通して伝わるのを防ぎます。例えば、書棚やクローゼットなどを壁に沿って置くことで、音が家具に吸収され、隣室への音漏れを抑える効果があります。

また、家具自体が防音効果を持っていない場合でも、布製のカーテンやブランケットを使って家具に覆いをかけることで、さらに音の吸収効果を高めることができます。

こうした工夫は、賃貸物件などで大掛かりな工事が難しい場合でも簡単に実践できる防音対策です。

防音対策④ 家電製品に防振マットを取り付ける

家電製品が発する振動音や機械音も、騒音の一因となります。

洗濯機や冷蔵庫など、振動を伴う家電には、防振マットを取り付けることで、音が床や壁に伝わるのを防ぎます。特に洗濯機は運転中の振動が大きく、周囲に響くことが多いため、専用の防振ゴムマットを使うことが推奨されます。

また、防振マットは設置も簡単で、効果的な防音対策となるため、家電製品周りの騒音を軽減するには非常に有効です。

防音対策⑤ 防音カーテンを取り付ける

窓から外部の騒音が入ってくる場合、防音カーテンを取り付けることで音漏れを抑えることができます。

防音カーテンは、通常のカーテンに比べて生地が厚く、音を吸収しやすい構造になっています。特に交通量の多い道路に面した部屋や、騒音の多い地域では、防音カーテンの効果を実感できるでしょう。

また、断熱効果もあるため、室温を保つ機能も期待でき、一石二鳥の効果を得られます。

防音カーテンは、インテリアとしてもデザイン性に優れたものが多く、部屋の雰囲気を損なわずに防音対策を行うことができます。

まとめ

軽量鉄骨造の建物は、その構造特性から耐震性や耐久性に優れ、木造よりも安全性が高い一方、騒音問題が発生しやすいというデメリットもあります。特に、壁や床を通じた音の伝達が軽量鉄骨造では課題となりやすく、周囲の住環境によっては騒音トラブルのリスクがあります。しかし、この記事でご紹介したように、事前に物件の防音性を確認することや、入居後に簡単にできる防音対策を講じることで、快適な生活環境を確保することが可能です。

特に、防音マットやシートの導入、家具の配置工夫、カーテンの見直しなどは、賃貸物件でも手軽に実践できる対策です。物件選びの段階で防音性をチェックし、騒音対策をしっかり行えば、騒音トラブルのリスクを軽減することができるでしょう。

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【監修】角名 達矢

(株)ホンネ不動産創業者、宅地建物取引士、不動産業界20年以上。22歳の時に就職した会社にて不動産業界の慣例・慣習があまりにもひどく衝撃を受け、実務を経験した後27歳で独立。TVメディアに多数出演。賃貸仲介・売買仲介ともに経験豊富です。