一人暮らしの初期費用は、選ぶ物件の家賃に比例して金額が高くなったり安くなったりしますが、一般的に30万円~50万円が目安です。内訳としては、敷金、礼金、管理費・共益費、賃貸保証料、仲介手数料、前払い家賃、鍵交換費用、火災保険料、消毒料などがあります。
各それぞれの費用の内容についてや、交渉で削減できる費用について等、この記事で解説していきますので、これから部屋を借りる予定の人はぜひ参考にしていただければと思います。
一人暮らしの初期費用の予算はいくらが相場?
お部屋を借りる際は最初に契約金として不動産屋さんを通して大家さんに支払う必要があります。この初期費用は、借りる賃貸の家賃の金額によって必要となる費用が変わってきます。
「敷金、礼金、保証会社利用料、仲介手数料、前家賃、共益費、火災保険代、鍵交換代」などが一般的に必要と言われる項目で、地域や物件(管理会社や大家さん)によっても異なります。
また、一人暮らしを始めるためには、上記の賃貸を借りる費用意外にも家具家電の購入費用などが別途必要になってきますので、その他の必要な費用を知りたい方は別の記事で細かく解説してますのでこちらをご参照ください。
賃貸契約に必要な資金は30万円~50万円が目安
一人暮らしを始めるには、前述したように敷金、礼金、仲介手数料など様々な名目の費用がかかります。これらの初期費用は選ぶ物件やその物件の契約内容によって異なりますが、一般的には借りる物件の家賃×5ヶ月分が相場と言われてます。
例えば借りる家賃が6万円の場合は、「家賃6万円×5ヶ月=30万円」、家賃が10万円の物件を借りる場合は「家賃10万円×5ヶ月=50万円」という計算になります。そのため、大体30万円~50万円程度が目安と言われています。
賃貸物件の契約で必要な初期費用の内訳
一般的に必要と言われる賃貸契約での初期費用は「借りる物件の家賃×5ヶ月分」と前述しましたが、内訳は次のとおりです。
入居月の家賃 | 日割り計算〜1ヶ月分 |
敷金 | 1ヶ月分 |
礼金 | 1ヶ月分 |
保証会社 | 0.5~1ヶ月分 |
鍵交換代やその他 | 各1万円〜2万円 |
仲介手数料 | 0.5~1ヶ月分+税 |
合計 | 家賃5ヶ月分前後が相場 |
これらの費用は物件によって異なり、あくまで目安数字なので物件を選定する段階で事前に不動産屋さんに確認することが重要です。
物件によっては上記の目安金額よりも礼金が2ヶ月分必要だったり、依頼する不動産屋さんによっては仲介手数料が0円になったりと金額が変動したりします。
上記の項目がなぜ必要なのかの解説と、費用を抑えるコツを順番にそれぞれ解説していきます。
前家賃の計算の仕方と注意ポイント
賃貸契約をする際は必ず、入居する月の家賃を前払いする必要があります。この前払い家賃は、契約時に1ヶ月分を支払うのが一般的です。
前払い家賃の計算方法は「前払い家賃 = 家賃+管理費など x 1ヶ月」
例えば、家賃が管理費込み8万円の場合、前払い家賃は8万円となります。
ただし、上記は月初に入居した場合の計算式で、月の途中で入居する場合は日割計算となり、上記の金額にプラスで日割家賃が必要となる場合が多いです。
管理費・共益費の考え方
賃貸を借りる際は、家賃と別に「管理費と共益費」も毎月支払う必要があります。金額は物件によって異なり、数千円〜1万円程度が多いです。
管理費と共益費は両方請求されるのではなく、どちらかを請求という場合が多く、名目は違いますが意味合いはほぼ同じです。
また、管理費・共益費は家賃イコールとして考えた方がよく、この金額が高いからといってエレベーターやゴミ捨て場などの共有部分の管理が徹底されているという訳でもないので注意です。
ただし、初期費用の計算については「家賃×〇〇」という考え方なので、合計家賃が同じ金額でも管理費などが高い物件の方が初期費用は少しお得になります。
例えば、毎月支払う料金が「家賃7万円で管理費1万円=合計8万円」だったとしても、初期費用は「家賃7万円×〇〇」という計算になる為、「家賃8万円で管理費0円=合計8万円」の物件よりも安くなります。
日割り家賃の考え方
日割り家賃とは、入居日から月の末日までの日数分の家賃を指します。契約締結日が月の途中であれば、日割り家賃を支払う必要があります。
日割り家賃の計算方法は、「月額家賃 ÷ 1ヶ月の日数 × 入居日から月の末日までの日数」です。
例えば、家賃が管理費込み8万円で、15日から入居した場合、日割り家賃は80,000 ÷ 31 × 17 = 44,193円となります。
そして、大家さんや管理会社によって計算の仕方が異なりますが、一般的には月の途中で入居の場合、
- 1日〜10日入居の場合は日割家賃のみ
- 1日〜30日入居の場合は日割家賃+翌月の前家賃1ヶ月
という場合が多いので、資金がギリギリの方は事前に確認しながら計算をしていきましょう。
<前家賃に関する注意点>
• 一部の物件では、前払い家賃が2ヶ月分必要な場合があります。
• フリーレント付き物件を選べば入居月の家賃を0円にできますが、翌月の家賃を前家賃として先に請求される場合があるので注意が必要です。
敷金の相場金額と注意ポイント
敷金とは、入居時に貸主(大家さん)にデポジット費用の意味合いで預ける金銭のことで、家賃の1ヶ月分が一般的な金額です。
入居期間中に部屋を汚してしまったり、傷つけてしまうと修理費用として退去時に敷金から充当されます。逆になにも無ければ返還されます。また近年では「クリーニング費用」を特約で入居者の負担としている大家さんが多く、その場合は退去時に敷金からクリーニング代が差し引かれて残った差額の金額が戻ってくるというケースが多いです。
<敷金に関する注意点>
• 「敷引き」や「敷金償却」という契約内容だと、内容によっては退去時費用に充当されなかったり、退去時に返還されないという意味なので、契約時に必ず確認しましょう。
• 敷金は、借り手が部屋に損傷を与えた場合に備えて支払うものという意味合いが強いので、クリーニング代を支払う契約になっていたとしても、なるべく入居中は部屋をきれいに掃除したり、損傷がないように注意しながら使いましょう。
礼金の相場金額と注意ポイント
礼金とは、貸主(大家さん)に「お部屋を借りる謝礼金」として支払われる金銭のことで、家賃の1ヶ月分が一般的な金額です。
礼金については敷金と違って戻ってこない費用となるので注意です。また一般的に家賃の1ヶ月分程度ですが、地域や物件によって金額が大きく異なる場合があります。
礼金の負担は、入居者にとって大きな負担となるため「なるべく払いたくない!」という方が多いと思います。しかし、人気エリアの物件や設備や間取りなど物件の条件が良い場合は1ヶ月〜2ヶ月分必要となっているケースが多いです。
とはいえ、礼金が不要な物件や、礼金の一部を交渉で減額できる場合もありますので、こちらも物件の選定の段階で事前に不動産屋さんに相談しながら選んでいくのが良いです。
<礼金に関する注意点>
• 礼金の相場を調べて、予算に合った物件を選ぶ。交渉についてはできるかどうか、不動産会社に事前に確認する。
• 礼金がかからない物件を探す際は、その他の費用が高めに設定されている場合があるのでトータル金額を見て選ぶ。
賃貸保証料の相場金額と注意ポイント
賃貸保証料とは、保証会社を利用する際に支払う費用のことで、初回保証料として総賃料の0.5ヶ月分を支払うのが一般的です。また、1年ごとの契約更新で1万円必要という契約が多いです。
連帯保証人が主流だった時代は、保証会社の利用をするのではなく親族を連帯保証人として立ててるのが一般的でしたが、近年では逆に連帯保証人は不要で、保証会社への加入を必須とする契約が一般的になりました。
その理由としては、複数あるのですが大家さん側のリスクヘッジが一番の理由です。
万が一、入居者が家賃を滞納したり、部屋を損壊した場合、大家さんは直接入居者から費用を請求するのですが、入居者が夜逃げしたり、連絡が取れなくなったりした場合、貸主は損害を被ってしまいます。ですが、保証会社に加入する事で、入居者の代わりに保証会社が大家さんに上記の費用を立て替えて払ってくれるので、大家さん側としては滞納リスクなどを減らす事ができるのです。
<保証会社に関する注意点>
• 初回保証料の計算について「総賃料」=家賃+管理費+他にも毎月支払いが必要な金額がある場合は別途そちらの金額も加算され、その合計の金額に対して0.5ヶ月といった計算になるので細かく確認する必要あります。
• 保証会社によっては更新料が不要な代わりに、毎月家賃の2%支払うといった契約パターンもあるので要確認です。
鍵交換費用の相場金額と注意ポイント
鍵交換費用とは、入居時に1~2万円ほど支払うのが一般的です。
鍵交換代は、物件によって大きく異なります。一般的なシリンダー錠やディンプルキーなど、鍵の種類によって費用が変わるため、事前に確認することが大切です。
- シリンダー錠交換:1万円~2万円
- ディンプルキー交換: 2万円~3万円
上記が一般的に必要と言われる金額となります。
<鍵交換費用に関する注意点>
鍵交換費用については、国土交通省の原状回復ガイドラインには大家さん負担と記載されてますが、特約で入居時に入居者の負担という契約にしてる大家さんが多いので契約前に要確認です。
火災保険料の相場金額と注意ポイント
火災保険とは、火災などによって住居が損害を受けた場合に、保険金が支払われる保険のことで、賃貸契約ではほとんどの物件が加入必須という契約条件になっています。金額は2年契約で2万円ほど支払うのが一般的です。
火災保険には、火災だけでなく、風災、水災、盗難などの補償が含まれているものが多く、万が一の際に大きな経済的な負担を軽減することができます。また、入居期間中にお部屋の設備などを壊してしまった際にも使える場合があるため、退去時費用の削減にも繋がります。
<火災保険に関する注意点>
• 借家人賠償特約つきの保険に加入必須と言われる場合が多い為、交渉で自己加入をされたい人はしっかり調べて確認しましょう。
• 賃貸を住み替えで引越しする予定の人は現在の住まいで加入している火災保険の解約手続きを忘れずに。(自動更新の火災保険だと手続きしないと請求が継続されます。
火災保険については交渉で安くする事ができる場合があります。不動産屋さんが指定する保険は2年間で2万円前後が相場ですが、自分でネット保険などに加入する事ができれば1年4000円前後に減額ができます。
この交渉の方法や細かい話は別の記事でも解説しているので参考に見てみてください。
消毒料の相場金額と注意ポイント
消毒料とは、入居前に専門業者による消毒を実施する際に発生する費用で、一般的に数千円から1万円程度が相場です。
他にも、除菌消臭代や抗菌施工などの名目で費用請求される場合がありますが、必ずしも支払う義務があるというわけではありません。
物件によっては大家さん(管理会社)が契約条件として特約で加入必須と義務付けている場合は加入する必要がありますが、そうでない場合は交渉で加入しない旨を伝えて外してもらう事ができます。
<消毒料に関する注意点>
大家さん(管理会社)が請求しているのではなく、依頼している仲介業者(不動産屋)が勝手に上乗せしているというケースがあります。その場合は、断って消毒料を無くしてもらうか、他の上乗せ請求しない仲介業者(不動産屋)に切り替えれば払わなくて済みます。
交渉についての細かい話は別の記事でも解説しているので参考に見てみてください。
仲介手数料の相場金額と注意ポイント
仲介手数料とは、賃貸物件を借りる際に不動産会社に支払う手数料のことです。一般的には賃料の1ヶ月分+税が相場となってます。
理由としては、宅建業法で借主(入居者)からの承諾を得れば家賃の1ヶ月分+税を上限に受け取ってもいいと決まっている為、上限金額を請求する業者が多いのでそれが相場となっています。
不動産会社の中には、全物件の仲介手数料を0.5ヶ月分にしている業者や、大家さんから手数料がもらえる物件については0円にしている業者など、同じ賃貸物件の契約でも各社で料金が違ったりします。
仲介手数料は初期費用の中でも大きな割合を占めるため、物件選びの段階で不動産屋にしっかりと確認しておくことが重要です。
<仲介手数料に関する注意点>
同じ賃貸物件でも、依頼する不動産屋によっては家賃1ヶ月分もかわる場合(借りる予定の物件家賃が10万円の場合は仲介手数料税込11万円が0円になる)があります。
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初期費用を抑えるためのコツ3選
前述したように、賃貸契約をする際は初期費用が家賃×5ヶ月分かかるのが一般的ですが、抑える方法というのもあります。
不動産業界では2〜3月が繁忙期と言われており、多くの方が引っ越し移動をされるため一年の中で一番忙しい時期です。この繁忙期にお部屋を借りる場合は、人気物件であればあるほど初期費用を安くする交渉などは断られる確率が上がります。
逆に、6月〜8月が閑散期と言われており、交渉を聞いてもらいやすかったりするので、引っ越し時期にこだわりが無い人は閑散期に物件を探されるのが費用を抑えるという意味ではオススメです。
他にも、費用を抑えるコツが次のとおりとなります。
敷金・礼金が不要な「ゼロゼロ物件」を選ぶ
ゼロゼロ物件とは、入居時に支払う敷金・礼金がどちらも不要=0円の物件のことで、相場が家賃1ヶ月分ずつになるので、初期費用を数十万円ほど節約することが可能です。
しかし、ゼロゼロ物件は家賃が相場より高めに設定されていたり、その他の費用が高くなっていてトータルで見たら損する場合もあるので選ぶ際はトータル費用を計算しながら選びましょう。
フリーレント物件を選んで前家賃を0円にする
フリーレント物件とは、「フリー:無料」+「レント:借りる」という意味で、一定期間の家賃が無料になる物件のことです。
フリーレント期間は、物件によって異なりますが、1ヶ月が多く、物件によっては3ヶ月も無料になる場合があります。
ただ、それだけの期間が無料になるということには、それなりの理由が必ずあります。
『空室期間が長い(人気が無い=何かデメリットがあるかも)』や、『家賃が高く設定されている』 など
そのため、先ほどのゼロゼロ物件と同じように選ぶ際はトータル費用を計算しながら選びましょう。
また、フリーレント付き物件は短期違約金がついてるケースが多いので合わせて要確認です。
※短期違約金とは、短期間での解約の場合に課される違約金のことで、 6か月間だったり、1年間だったり、2年間だったりと期間は様々です。
仲介手数料0円にできる不動産屋に依頼
仲介手数料は前述したように、家賃1ヶ月+税が一般的な相場金額となります。
その為、借りるお部屋の家賃が10万円の場合は税込11万円と高額になります。この費用について、実は依頼する不動産屋を変えるだけで0円にする事ができる場合があります。
そもそも不動産会社の収益は、この仲介手数料がメインとなりますが、入居者からだけでなく大家さんからも受領できる場合があります。一般的には大家さんから受領できたとしても、入居者から1ヶ月分+税を受領する不動産会社が多いですが、最近では自社の営業コストを削減して、大家さんから手数料もらえる物件のみ割引還元をする業者が増えています。
正直、どこの不動産会社も取り扱っている物件はほとんど同じです。理由としては、不動産業者専用のデータベース(レインズ、ATBB)で各社情報を共有しているためです。なので、スーモやホームズなどの大手のwebポータルサイトに掲載されている物件の多くはどこの会社でも紹介が可能という事です。
そのため、初期費用を抑えたい人や賃貸契約で損をしたくない人は物件選びと並行して仲介手数料0円から契約ができる不動産会社を選びましょう。
これから引越す予定の人へ
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