賃貸は何ヶ月前から契約できるの?物件探しと引っ越し時期はいつから始める?

賃貸は何ヶ月前から契約できるの?物件探しと引っ越し時期はいつから始める?

【監修】角名 達矢

(株)ホンネ不動産創業者、宅地建物取引士、不動産業界20年以上。22歳の時に就職した会社にて不動産業界の慣例・慣習があまりにもひどく衝撃を受け、実務を経験した後27歳で独立。TVメディアに多数出演。賃貸仲介・売買仲介ともに経験豊富です。

「引っ越しを検討しているけれど、いつから物件を探し始めればいいの?」「気に入った物件を数ヶ月先まで確保しておくことはできる?」と疑問に思っていませんか?理想の部屋を見つけても、契約のタイミングを間違えると、無駄な家賃が発生したり、逆にタッチの差で他の人に決まってしまったりすることがあります。

本記事では、賃貸物件の契約が可能になる時期や、お部屋探しから入居までの理想的なスケジュール、さらに無駄なコストを抑えるための契約テクニックをプロの視点で分かりやすく解説します。

賃貸の契約は何ヶ月前から可能?物件の予約はできるの?

一般的な賃貸物件において、数ヶ月前から部屋を確保しておく「予約」という概念は、原則として存在しません。

賃貸物件の契約タイミングについては、一般的な賃貸物件の契約(家賃発生の開始)は、申し込みからおよそ2週間〜3週間後になるのが通例です。つまり、「3ヶ月先の入居のために今契約して、家賃を3ヶ月後からにする」といった長期的な予約は、基本的にはできません。

賃貸物件のオーナー(大家さん)にとっては、空室期間を短くすることが最優先事項です。そのため、入居できる状態の物件であれば、「すぐに家賃を払ってくれる人」を優先します。特別な事情がない限り、数ヶ月先まで物件を無料で確保しておく「仮押さえ」という制度はないと考えたほうが良いでしょう。もし数ヶ月前から物件を押さえておきたいのであれば、住んでいない期間の家賃を支払う必要があるため、探し始めるタイミングを慎重に見極める必要があります。

「すぐに契約は難しいが、早めに押さえたい賃貸物件」をお探しの方へ

「事情があって引っ越しは2〜3ヶ月先になるけれど、良い物件がなくなってしまうのが怖い」という方もいらっしゃるでしょう。通常の物件では即契約・即家賃発生が基本ですが、特定の条件を満たす物件であれば、入居時期や費用の調整がしやすくなる場合があります。

フリーレントが適用される物件

フリーレントとは、入居後の一定期間(2週間〜1ヶ月程度が多い)の家賃が無料になる契約形態のことです。この物件を選べば、例えば「今すぐ契約して鍵をもらうが、実際の引っ越しは1ヶ月先」という場合でも、家賃の二重払いを防ぐ、あるいは最小限に抑えることができます。

オーナー側としては、家賃そのものを恒久的に値下げするよりも「最初の1ヶ月を無料」とするほうが、物件の資産価値を維持しやすいため、空室対策として導入されていることがあります。ただし、フリーレントを利用する場合、「1年以内に解約すると違約金が発生する」といった短期解約違約金の特約がつくことが一般的ですので、契約内容を事前によく確認しましょう。

家賃スライドが可能な賃貸物件

主に学生向けの物件や、新築物件で見られるのが『家賃スライド』という制度です。これは、進学や就職が決まった早い段階で物件を確保しても、実際の家賃発生を入居するタイミング(例:3月や4月)まで遅らせることができる特別な仕組みです。

新入学生・新社会人向けが主なため、一般的な賃貸物件でこの制度が適用されるケースは稀ですが、閑散期や特定のキャンペーン物件では交渉次第で数週間程度スライドしてもらえることもあります。ただし、基本的には「大家さんの善意」によるものなので、すべての物件でできるわけではないことを理解しておきましょう。交渉の際は「いつからなら確実に支払えるか」を誠実に伝えることが大切です。

新築物件の契約

新築物件は、まだ建物が完成していない段階から募集が始まります。この場合、完成予定日に合わせて契約・入居となるため、結果として数ヶ月前からお部屋を確保することが可能です。

新築物件のメリットは、誰も住んだことのない綺麗な状態であることはもちろん、入居日が「完成後」と明確に決まっているため、現在の住まいの退去予告が出しやすい点にあります。ただし、内見ができない状態で申し込む「未完成物件」となるケースが多いため、図面や同タイプの既存物件を参考に判断する力が必要です。また、人気が集中するため、募集開始と同時に申し込むスピード感が求められます。

退去予定のある賃貸物件

現在まだ前の入居者が住んでいる「退去予定」の状態の物件も、早めに押さえる手段として有効です。退去日が例えば「1ヶ月後」であれば、そこからクリーニング期間(約1〜2週間)を経てからの入居となるため、結果的に1ヶ月半〜2ヶ月先を見越した申し込みができます。

このパターンの注意点は、前の入居者が退去するまで中を見ることができない「先行申し込み」になることです。基本的には「内見せずに申し込む」か「クリーニングが完了して実際に中を見てから最終判断をする」形になります。一番手で申し込んでおけば、他人に取られるリスクを大幅に減らすことができるため、特定の人気マンションを狙っている場合には非常に有効な手段です。

初期費用が手頃な賃貸物件

契約時期を早めたい時にネックになるのが、現在の住まいの家賃と新居の家賃が重複する「二重家賃」です。これをカバーするために、”敷金・礼金がゼロの物件(ゼロゼロ物件)”を選ぶのも一つの戦略です。

初期費用を抑えることができれば、仮に半月分や1ヶ月分の家賃が重複したとしても、トータルの出費を許容範囲内に収めやすくなります。

項目メリット注意点
敷金・礼金0初期費用を大幅にカットできる退去時のクリーニング代が先払いのケースがある
仲介手数料無料数万円単位の節約になる特定の不動産会社のみの扱いが多い

初期費用の安さは、入居タイミングを柔軟に決めるための「資金的な余裕」を生んでくれます。ただし、家賃が相場より少し高めに設定されていないかなど、トータルコストでの見極めが重要です。

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一般的な賃貸物件の契約手続きスケジュールと流れ

スムーズな引っ越しのためには、逆算したスケジュール管理が不可欠です。お部屋探しから入居まで、一般的な流れを時系列で見ていきましょう。

【引越し2ヶ月以上前】お部屋探しの開始

引っ越しの2ヶ月以上前は、具体的な物件を決めるというよりも、『相場観を養い、条件を整理する時期』です。ポータルサイトを眺めて、自分の希望するエリアや条件(家賃、間取り、駅徒歩など)にどれくらいの物件があるかを確認しましょう。

この時期に不動産屋へ行っても、「まだ入居時期が先すぎて、今ある物件はすぐ埋まってしまいます」と言われることがほとんどです。まずは自分の譲れない条件を優先順位付けし、現在の住まいの解約ルール(通常は1ヶ月前、稀に2ヶ月前予告)を管理会社に確認しておきましょう。この「下調べ」が、後の決断スピードを左右します。

【引越し2ヶ月~1ヶ月前】不動産屋に相談〜内見

引っ越しの1ヶ月半前くらいが、本格的に不動産屋へ足を運ぶベストタイミングです。この時期になると、『1ヶ月後に退去する物件』や『今すぐ入居できる物件』が、あなたの入居希望日に合致し始めます。

不動産屋には、引っ越しを希望する時期と予算を明確に伝えてください。良い物件は掲載から数日で埋まってしまうため、条件に合うものがあれば即座に内見予約を入れるフットワークの軽さが求められます。週末に内見を集中させることが多いですが、可能であれば平日の方がじっくりと見学でき、不動産屋の担当者とも深い相談が可能です。

<内見時に持参すると良いもの>

  • メジャー(3m〜5m): 家具の配置予定場所や、ドア・階段の幅を測るために必須です。
  • 筆記用具・メモ帳: 図面に書き込めない詳細や、担当者への質問をメモします。
  • スマートフォン: 室内や共用部の写真撮影、コンセントの位置の記録、電波状況の確認に使用します。
  • スリッパ: 不動産屋が用意することもありますが、持参するとスムーズです。
  • 懐中電灯(スマホアプリで可): クローゼットの奥や、電気が通っていない部屋の隅を確認するのに役立ちます。

【引越し1ヶ月前】内見〜申込み

気に入った物件が見つかったら、すぐに『入居申し込み』を行います。賃貸は早い者勝ちの世界です。申し込みには、本人確認書類の写しや収入がわかる書類が必要になることが多いため、あらかじめ準備しておきましょう。

<申込時に準備しておくとスムーズなもの>

  • 本人確認書類の写し: 運転免許証やパスポートなど。
  • 健康保険証の写し: 勤務先情報や社会保険加入状況の確認に使用。
  • 収入が証明できるもの: 源泉徴収票や直近3ヶ月分の給与明細など。
  • 現住所・連絡先情報: 住民票に記載されている正確な住所。
  • 勤務先情報: 会社名、所在地、電話番号、勤続年数、年収など。
  • 連帯保証人(または緊急連絡先)の情報: 氏名、生年月日、住所、電話番号、年収、勤務先情報。

申し込みを行うと、物件は一旦「募集停止」となり、あなたの審査が始まります。この時点で家賃の発生日(入居日)の交渉を行いますが、一般的には「申し込みから2週間〜3週間後」が指定されます。現在の住まいの退去日と調整しながら、できるだけ家賃が重複しない期間を探るのがこのフェーズの醍醐味です。

【引越し2週間前】入居審査〜初期費用の支払いと契約

申し込みから3日〜1週間程度で入居審査の結果が出ます。審査に通過したら、次は「重要事項説明」を受け、契約書の締結と初期費用の振り込みを行います。

初期費用には、前家賃、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、保証会社利用料などが含まれます。大きな金額が動くため、振込期限に遅れないよう資金管理に注意しましょう。

契約が完了すれば、あとは入居日(契約開始日)当日に不動産屋で鍵を受け取るだけです。同時に、電気・ガス・水道の開通手続きや、郵便物の転送届、引っ越し業者の最終確認など、事務的なタスクも並行して進めていきます。

不要な家賃を支払いたくない・引越し日が確定できない人向けの契約テクニック

「まだ今の家の契約が残っているから、できるだけ新居の家賃発生を遅らせたい」という願いは切実です。ここでは、コストを最小限に抑えるための具体的なテクニックをご紹介します。

フリーレント物件を選ぶ

前述した『フリーレント物件』を狙い撃ちするのは、最も確実な方法です。例えば「10月15日」に新居の契約を開始しても、フリーレントが1ヶ月ついていれば「11月14日」分までの家賃がかかりません。

これにより、現在の住まいを10月末に退去する場合でも、家賃が重なるどころか、実質的に『余裕を持って引っ越し作業ができる期間』を確保できることになります。物件検索サイトのこだわり条件”フリーレント”にチェックを入れて探すか、担当者に直接「フリーレントの交渉ができる物件はないか」と相談してみましょう。特に閑散期(5月〜8月など)は、大家さんも空室を嫌うため、交渉が通りやすくなります。

先行申込み可能な賃貸物件を探す

「退去予定」の物件に対して行う「先行申し込み」を活用しましょう。先行申し込みとは、前の入居者がまだ住んでいる段階で書面による申し込みを行い、入居権を確保する仕組みです。

この方法のメリットは、内見ができるようになるまでの期間(1〜3週間程度)を、実質的なキープ期間として利用できる点にあります。契約開始日は「内見が可能になった日」を起点に設定されることが多いため、今すぐ入居可能な物件に申し込むよりも、家賃発生を1ヶ月程度先送りにしやすい傾向があります。ただし、内見後にキャンセルするとマナー違反とされることもあるため、写真やエリア情報で「ほぼ決まり」という確信がある場合に利用しましょう。

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入居希望の2〜3週間前に申込みを入れる

最もスタンダードかつ効果的なのが、「引っ越し希望日の2〜3週間前」に申し込みを完了させる逆算スケジュールです。

  • 早すぎると: 入居日までに無駄な家賃が発生する。
  • 遅すぎると: 審査や契約が間に合わず、希望日に引っ越せない。

賃貸物件の家賃発生は、一般的に「審査通過後から2週間以内」に設定されることが多いため、この「2〜3週間前」というタイミングが最も二重家賃を抑えられます。「入居希望日の3週間前に内見、その場で申し込み」というリズムが、無駄なコストを最小限にしつつ、確実に新居を押さえるための「黄金ルール」です。

初めての賃貸物件契約に必要な注意点

賃貸契約は、人生の中でも大きな契約の一つです。初めての方は、特有のルールや商習慣を知らないことで、思わぬ出費を強いられることがあります。以下の3点は必ず押さえておきましょう。

申込から契約開始までの一般的な期間を知る

繰り返しになりますが、賃貸物件の「申し込み」から「契約開始(家賃発生)」までの期間は、即入居物件であれば”およそ2~3週間”が標準的です。「気に入ったから1ヶ月半キープしてください」というお願いは、大家さんからすれば「その期間の家賃を捨ててください」と言っているのと同じなので、基本的には断られます。

もし、どうしても特定の物件をキープしたいのであれば、「申し込みから2~3週間後には家賃が発生する」ことを覚悟し、現在の住まいの解約予告期間(通常1ヶ月前)との兼ね合いを計算しなければなりません。この期間感覚を持っていないと、不動産屋との話が噛み合わなくなるため注意が必要です。

初期費用の内訳を申込み前に確認

「家賃8万円なら、初期費用は40万円くらいかな?」と大まかに予想していても、実際にはオプション費用などで予想を上回ることがあります。

  • 24時間サポート費用: 1.5万〜2万円程度
  • 室内消毒・抗菌施工代: 1.5万〜2万円程度
  • 鍵交換費用: 1.5万〜3万円程度

これらは物件によって「必須」と言われることもあれば、任意で外せることもあります。申し込みを入れる前に、必ず『概算見積書』をもらい、自分にとって不要な項目が含まれていないかをチェックしてください。契約直前になって「高いからやめる」というのはトラブルの元ですので、早い段階での確認が重要です。

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同じ物件でも不動産会社ごとで仲介手数料は違う

実は、一つの物件は複数の不動産会社で紹介されていることが多く、「仲介手数料」の設定は会社によって異なります

法律上の上限は「家賃の1.1ヶ月分(税込)」ですが、会社によっては「0.55ヶ月分」や「無料」としているケースもあります。同じ物件を借りるなら、手数料が安い会社を通したほうが当然お得です。気になる物件を見つけたら、複数の会社で取り扱っていないかを確認してみるのも、賢い契約のテクニックです。ただし、手数料が安い代わりに「事務手数料」などの別名目で費用を乗せられていないか、見積書全体を比較することを忘れないでください。

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賃貸物件の予約は基本的に不可能!計画的な契約を心がけよう

最後に、賃貸探しの心構えについてまとめます。賃貸物件は「早い者勝ち」であり、ホテルや旅行のような「予約」の概念はないと心得ましょう。

賃貸物件の予約(仮押さえ)はできないので注意

「とりあえず申し込んで、もっと良い物件が見つかったらキャンセルすればいいや」という安易な考えは避けましょう。申し込みをすると、大家さんや管理会社、保証会社などが一斉に動き出します。

安易なキャンセルを繰り返すと、その不動産会社や管理会社のデータベースに履歴が残り、本当に借りたい時に審査が通らなくなるリスクがあります。また、申し込み=「契約の意思がある」とみなされるため、マナーを守った行動が求められます。予約ができないからこそ、内見前の下調べを徹底し、「ここなら決める」という覚悟を持って現地へ行くことが大切です。

引っ越しおすすめ時期はいつごろ?

引っ越しの時期は、何を優先するかによって「おすすめ」が大きく変わります。

時期特徴メリット・デメリット
1月〜3月最繁忙期物件数は最多だが、競争が激しく家賃交渉はほぼ不可能。
5月〜8月閑散期物件数は少ないが、じっくり探せて家賃やフリーレントの交渉が通りやすい。
9月〜10月第二の繁忙期転勤などで物件が動き出す。気候が良く引っ越し作業がしやすい。
11月〜12月穴場時期じっくり探せる。年内入居を条件に交渉できるケースも。

「とにかく安く、交渉したい」なら初夏から夏休みの閑散期が狙い目です。逆に「豊富な選択肢から選びたい」なら、スピード勝負になりますが1月後半から2月が適しています。自分の優先順位に合わせて、最適な時期にスタートを切りましょう。

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まとめ

賃貸物件の契約は、入居希望日の約1ヶ月半前から本格的に動き出し、2〜3週間前に申し込みを完了させるのが最も効率的です。

  • 長期の予約は原則不可: 家賃発生は申し込みから2〜3週間後が基本。
  • 二重家賃を防ぐ工夫: フリーレント物件や退去予定物件を活用する。
  • スケジュール管理: 2ヶ月前から相場を調べ、1ヶ月前に決める。

「予約ができない」という賃貸特有のルールを理解した上で、逆算して動くことが、理想の住まいを無駄なく手に入れる最短ルートです。この記事で紹介したスケジュールやテクニックを参考に、ぜひ納得のいくお部屋探しを成功させてください。

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  • この記事を書いた人

【監修】角名 達矢

(株)ホンネ不動産創業者、宅地建物取引士、不動産業界20年以上。22歳の時に就職した会社にて不動産業界の慣例・慣習があまりにもひどく衝撃を受け、実務を経験した後27歳で独立。TVメディアに多数出演。賃貸仲介・売買仲介ともに経験豊富です。