「1月から新しい環境で生活を始めたい」と考えている方にとって、物件探しのタイミングはとても重要です。1月は、不動産業界が一年で最も活気づく「春の繁忙期」の入り口にあたります。早すぎると希望の時期に入居できる物件が見つからず、遅すぎると年末年始の長期休暇に阻まれて手続きが間に合わないというジレンマが発生しやすい時期でもあります。
本記事では、1月入居を目指す方に向けた最適な開始時期や、年末年始特有の注意点を踏まえた失敗しないスケジュール、さらには家賃交渉のコツなどを徹底解説します。

結論:1月入居なら11月中旬から
1月入居を成功させるたには、早すぎず遅すぎない“絶妙なタイミング”でのスタートが大切。結論から言うと、11月中旬からの物件探しがベストです。
ここでは、なぜ11月中旬がベストなのか、その理由を深く掘り下げます。
最適な開始時期は入居1.5ヶ月前

一般的に、賃貸物件探しを始める最適なタイミングは入居希望日の「1.5ヶ月前」とされています。1月入居を目指すのであれば、11月中旬から本格的な活動を開始するのが理想的です。これには賃貸契約の仕組みが深く関わっています。多くの賃貸物件では、申し込みから家賃発生(入居開始)までの期間を2週間から3週間程度に設定しています。
もし10月や11月の初旬に探し始めて素晴らしい物件に出会ったとしても、入居を1月まで待ってくれる大家さんはほとんどいません。大家さん側からすれば、11月や12月に空室を埋めたいと考えているため、入居を1月まで先延ばしにする場合は「その間の家賃を支払う(二重家賃の発生)」ことを求められるのが通例です。
逆に、12月に入ってから探し始めると、年末年始の休暇が重なり、審査や契約手続きが年をまたいで停滞し、1月上旬の入居が物理的に困難になるリスクが高まります。そのため、1.5ヶ月前という期間は、無駄な家賃支払いを抑えつつ、確実に入居手続きを完了させるための「安全圏」と言えるのです。
物件情報が最も増える時期
11月中旬から12月にかけては、1月以降の退去予定物件が市場に次々と出始める時期でもあります。これは、3月の引越しシーズンに向けて動く人々が、管理会社に対して「2ヶ月前通知」や「1ヶ月前通知」を出すタイミングと重なるためです。特に学生や新社会人が多く住む単身者向け物件では、卒業や転勤を見越した解約通知がこの時期に急増します。
この時期に探し始めるメリットは、まだ「繁忙期本番(1月〜3月)」ほどライバルが多くない中で、これから空く予定の優良物件をいち早くチェックできる点にあります。まだ前の居住者が住んでいる状態(居住中・内見不可)の物件であっても、先行申込という形で情報を押さえることが可能です。繁忙期に入ると、条件の良い物件は内見を待たずに数時間で申し込みが入ってしまうことも珍しくありませんが、11月中旬〜12月上旬であれば、比較的落ち着いて物件の比較検討ができるラストチャンスと言えるでしょう。
賃貸契約はいつからできるか
「1月入居」を条件とした賃貸契約は、基本的には「入居の約1ヶ月前」から具体的な契約作業が可能になります。多くの不動産会社では、申し込み後の「入居審査」に3〜7日程度、その後の「契約手続き」に数日を要します。これらを逆算すると、12月上旬に申し込みを行い、12月中旬に契約を締結、1月上旬に入居という流れが最もスムーズです。
ただし、注意が必要なのは「即入居可」の物件です。空室状態の物件に申し込む場合、大家さんはできるだけ早く家賃を発生させたいと考えます。そのため、「1月まで契約を待ちたい」という希望は通りにくく、最長でも2週間程度の猶予しか認められないことが一般的です。一方で「退去予定物件(現在はまだ誰かが住んでいる物件)」であれば、前住人の退去日とクリーニング期間が決まっているため、自然と入居日が1月以降に設定されることになります。
自分の理想とする入居時期と、物件の空き状況を照らし合わせ、どのタイミングで「契約書」に判を押すべきかを担当者と綿密に打ち合わせることが重要です。
1月入居の物件探し完全スケジュール
1月入居を確実に叶えるためには、ステップごとの期限を意識した行動が不可欠です。年末年始の休暇という「空白期間」を考慮した理想のスケジュールをご紹介します。

情報収集と条件整理(11月中旬)
物件探しを始める最初の1週間は、インターネットでの徹底的な情報収集と、自分自身の希望条件の優先順位付けに充てましょう。エリア、家賃、バストイレ別、駅からの距離など、譲れない条件を明確にします。11月中旬の時点では、まだ1月空き予定の物件がすべて出揃っているわけではありませんが、相場感を養っておくことが後の決断力を左右します。
また、この時期に「引越し業者の見積もり相場」も調べておくことをおすすめします。1月上旬は正月休み明けで意外と混雑しやすく、早めの予約が必要になるためです。希望条件を絞り込み、不動産会社へ問い合わせを入れる準備を整えるのがこのフェーズの目標です。
不動産会社訪問と内見(11月下旬)
条件が固まったら、いよいよ不動産会社を訪問し、実際の内見を行います。11月下旬は週末の予約も取りやすく、じっくりと物件を確認できる時期です。内見では、日当たりや防音性だけでなく、共用部の清掃状況やゴミ置き場の様子など、生活をイメージしたチェックを行いましょう。
もし気に入った物件が「退去予定」でまだ中が見られない場合は、同じ建物の別のお部屋や、似た構造の物件を見せてもらうことで判断材料にします。11月下旬の時点で第一候補を絞り込めていれば、他の方に先を越されるリスクを最小限に抑えつつ、余裕を持って申し込みへと進むことができます。
申込・入居審査・契約(12月上旬〜中旬)
12月に入ったら、速やかに申し込みを行います。ここから「入居審査」が始まります。審査には本人確認書類のほか、収入を証明する書類(源泉徴収票など)が必要になるため、あらかじめ準備しておきましょう。
また、現在の住まいの解約通知(退去届)を出すタイミングにも注意が必要です。多くの物件が1ヶ月前通知*ですので、12月上旬の申し込みと同時に退去届を出しておく必要があります。
審査通過後、12月中旬までには「重要事項説明」を受け、契約手続きを完了させるのが理想です。なぜ12月中旬なのかというと、これ以降は管理会社や保証会社が年末年始の休業準備に入るため、手続きが滞りやすくなるからです。年内に契約を済ませ、初期費用の振込まで完了させておくことで、「1月早々に鍵を受け取れない」というトラブルを回避できます。
*解約通知は1ヶ月と定めているケースが多いですが、なかには2ヶ月・3ヶ月の場合もあるためしっかり確認しておきましょう。
引越し準備と入居(12月下旬〜1月)
契約が無事に済んだら、12月下旬は引越しの準備に専念します。
年が明けた1月の入居当日、不動産会社で鍵を受け取り、新生活がスタートします。1月1日から3日は不動産会社が休みであることが多いため、実際の入居開始日は1月4日以降になるケースが一般的です。電気・ガス・水道の開栓手続きも年内に済ませておき、寒い冬の引越しでもすぐにお湯や暖房が使えるように準備しておきましょう。
1月入居を狙うメリット・デメリット
1月という時期は、引越しのボリュームゾーンである2月・3月に比べて独特のメリットとデメリットがあります。それらを理解しておくことで、有利に交渉を進められます。
メリット:繁忙期前でゆっくり探せる
最大のメリットは、2月・3月の殺人的な混雑が始まる「直前」に活動できる点です。11月〜12月は不動産会社の担当者もまだ時間に余裕があり、一組のお客様に対して丁寧な接客や、条件に合う物件の深掘りを行ってくれる傾向があります。
内見の予約も取りやすく、現地で時間をかけて寸法を測ったり、周辺環境を歩いて確かめたりすることも可能です。繁忙期本番になると、内見中に別の申し込みが入ってしまうような「スピード勝負」になりますが、この時期なら一晩じっくり考える余裕が得られることもあります。精神的なゆとりを持って住まいを選べるのは、1月入居を目指す人ならではの特権です。
メリット:家賃や初期費用の交渉がしやすい
12月は、大家さんにとって「年内に空室を埋めてしまいたい」という心理が働く時期です。繁忙期になれば黙っていても入居者は現れますが、12月中に申し込みをしてくれる入居者は非常に貴重な存在です。
そのため、「家賃を数千円下げてほしい」「礼金をなしにしてほしい」「フリーレント(家賃数ヶ月分無料)を付けてほしい」といった条件交渉が、2月・3月に比べて通りやすい傾向にあります。特に、長く空室が続いている物件であれば、年をまたいで空室のままにしておくことを嫌う大家さんが多いため、強気ではなく「誠実なお願い」として交渉を持ちかける価値は十分にあります。
デメリット:物件数がピーク時より少ない
一方でデメリットは、市場に出回る物件の「総数」自体は、1月下旬から3月にかけてのピーク時に比べると少ない点です。多くの退去者は3月末に向けて動くため、11月や12月に情報が出る物件は、転勤や結婚など特定の理由で動く層のものが中心となります。
「何百件もの中から選びたい」という方にとっては、少し選択肢が狭く感じるかもしれません。しかし、物件数が多い時期はそれだけライバルも多いため、「数」よりも「質」と「確実性」を重視するのであれば、このデメリットはそれほど大きな障壁にはならないでしょう。
デメリット:年末年始で手続きが遅れる可能性
1月入居の最大の懸念点は、引越しスケジュールの後半に「年末年始」が重なることです。多くの管理会社や保証会社、および引越し業者が12月28日頃から1月4日頃まで休業します。
この期間は審査が進まないだけでなく、書類の郵送も滞ります。万が一書類に不備があった場合、その修正が年明けまで持ち越され、予定していた1月上旬の引越しに間に合わなくなる可能性があります。また、引越し業者の予約も年始の御用始め直後は混み合うため、早め早めの行動が、他の時期以上に強く求められるのがこの時期の難しい点です。
年末年始の不動産屋の動向と注意点
1月入居を検討する上で避けて通れないのが「年末年始の休業」です。この期間の業界の動きを知っておくことが、トラブル回避の第一歩です。
不動産会社の一般的な年末年始休暇
多くの不動産仲介会社(店舗)は、12月27日〜28日頃に仕事納めをし、1月4日〜5日頃から営業を再開します。この間は、物件の問い合わせをしても返信がなく、内見も一切できません。
ここで注意したいのは、私たちが普段接する「仲介会社」が営業していても、物件の鍵を管理している「管理会社」が休んでいる場合、物件の中を見ることができないという点です。また、年始早々に引越しを希望する場合、鍵の受け渡しをいつ行うかも事前に確認が必要です。1月1日〜3日に入居したいと言っても、店舗が開いていなければ鍵を受け取ることができず、引越し自体が不可能になるからです。
管理会社の休業による審査・手続きの遅延
申し込みをした後に最も影響が出るのが「審査」の工程です。入居審査には、管理会社だけでなく保証会社や、大家さん本人との連絡が必要です。
もし12月20日過ぎに申し込みを行った場合、審査の途中で各社が冬休みに入ってしまうと、審査結果が出るのが1月5日以降になることがあります。そこから契約書類を作成・送付し、入金を確認して鍵を渡すとなると、実際の入居は1月中旬以降にずれ込んでしまいます。1月1週目〜2週目に入居したいのであれば、12月15日頃までには審査結果が出て、契約手続きに移行している状態にしておくのが鉄則です。
年内契約で家賃発生日を明確にする交渉
年末に契約を進める際、賢い交渉術として「家賃発生日を1月に設定してもらう」ことがあります。12月中旬に契約を進める場合、大家さんは通常12月下旬からの家賃発生を求めますが、そこを「引越しは1月なので、家賃発生を1月1日からにしてほしい」と交渉します。
年内に「契約完了」という安心(成約の確定)を大家さんに与える代わりに、実際の支払開始を少し待ってもらうというギブ・アンド・テイクの交渉です。これが成立すれば、12月分の無駄な家賃(二重家賃)を支払うことなく、年内にすべての手続きを終えて安心して新年を迎えられるようになります。こうした細かな条件調整こそ、1.5ヶ月前から動いている余裕があるからこそできる技です。
探し始める時期による失敗パターン
良かれと思って取った行動が、1月入居においては裏目に出ることがあります。よくある2つの失敗パターンを学び、反面教師にしましょう。
早すぎる場合(10月以前)のリスク
「余裕を持って10月から探し始めよう」という意気込みは素晴らしいのですが、賃貸においては「早すぎることによる弊害」があります。それは、10月に気に入った物件を見つけたとしても、大家さんは1月までの3ヶ月間も空室(家賃収入ゼロ)のまま待ってはくれないという事実です。
結果として、1月に入居したいのに11月から家賃を支払い始める「空家賃(二重家賃)」を承諾するか、泣く泣くその物件を諦めるかの二択を迫られます。賃貸物件は「早い者勝ち」であると同時に「即決・即入居」が基本の世界であるため、入居希望日の2ヶ月以上前から本格的に動くのは、時間と労力の無駄になってしまうことが多いのです。10月のうちはネットでの相場確認に留め、現地訪問は11月まで我慢するのが賢明です。
遅すぎる場合(12月下旬以降)のリスク
逆に、仕事や私生活が忙しく「12月下旬から探し始めればいいや」と楽観視していると、大きな壁にぶつかります。12月下旬は、前述の通り不動産会社や管理会社が休業に入ってしまうため、物理的に動ける日数が極端に少なくなります。
また、1月1週目には「これから4月に向けて探し始めるライバル」が一気に動き出します。この激戦の波に飲み込まれると、ゆっくり比較検討する時間はなくなり、残っている物件の中から消去法で選ばざるを得なくなります。
さらに、引越し業者の手配も直前では不可能なことが多く、レンタカーを借りて自分で行うといった過酷な引越しを強いられるリスクもあります。12月中旬を過ぎてからのスタートは、「1月入居」という目標に対しては極めて危険なギャンブルと言えます。
1月入居の物件探しQ&A
最後に、1月入居を目指す方が抱きがちな疑問に、専門的な視点からお答えします。
内見は入居の何ヶ月前から可能?
賃貸物件の内見は、基本的に「入居可能日の1ヶ月〜1.5ヶ月前」から可能になる物件が多いです。現在空室の物件であれば、いつでも内見できますが、1月に入居したいのであれば、11月中旬以降に内見するのが最も効率的です。
これより前の時期に内見しても、1月までその物件が残っている可能性は低く、また大家さん側も1月入居を条件とした申し込みを受け付けてくれないことが多いためです。もし10月以前にどうしても見たい場合は、「室内レイアウトの参考にするため」と割り切って訪問し、本命探しは11月まで待つのが賢明です。
気に入った物件を長期間おさえることは?
残念ながら、賃貸において「予約」という概念はほぼ存在しません。物件をおさえるためには「入居申込書」を提出し、審査を受ける必要があります。そして申し込みをしたら、通常は2〜3週間以内に家賃が発生します。
「1ヶ月以上先まで家賃なしでおさえておきたい」という要望は、よほど不人気な物件でない限り通りません。唯一の例外は、現在居住中で「12月末退去予定」となっている物件です。これなら、12月に申し込みをしても物理的に入居できるのが1月以降になるため、追加費用なしで1月入居の権利を確保(おさえること)ができます。
3月・4月入居の物件探しとの違い
1月入居と3月・4月入居の最大の違いは、競争の激しさと交渉の余地です。3月・4月は「出せば埋まる」時期なので、大家さんは強気で、家賃交渉などはほぼ不可能です。また、物件情報の回転が速すぎて、朝あった物件が昼にはなくなっているといった状況が日常銭です。
対して1月入居を目指すスケジュール(11月〜12月の活動)は、まだ市場に「交渉の余地」が残されており、不動産会社も一人ひとりの顧客に時間を割いてくれます。同じ家賃を払うのであれば、1月入居の方が質の高いサービスと納得感を得られる可能性が高いと言えます。
一人暮らしの狙い目の時期はいつ?
一人暮らしの物件探しにおいて、1月入居(11月〜12月探し)は非常に「狙い目」です。なぜなら、1月からの大混雑を避けつつ、2月から入居する学生や新社会人よりも一歩早く、これから空く予定の優良物件にアプローチできるからです。
また、年末年始は引越し業者の料金も(3月に比べれば)安く抑えられ、家具や家電の「初売りセール」を利用して新生活の準備を安く整えることも可能です。計画的に動ける人にとって、1月入居は経済的にも精神的にも非常にメリットの大きい選択肢となります。
まとめ
1月入居を目指す物件探しは、“11月中旬のスタート”が成功への黄金律です。この時期から動き出すことで、繁忙期直前の豊富な選択肢を確保しつつ、年末年始の休業による手続き遅延という最大のリスクを回避することが可能になります。
早すぎる10月のスタートは二重家賃を招き、遅すぎる12月下旬のスタートは手続きの停滞とライバルの増加を招きます。余裕を持って物件探しを行いたい場合は、今回ご紹介した完全スケジュールを参考に進めてみてください。
大家さんが「年内に決めてほしい」と願うこの時期ならではの交渉術を活用し、賢く、納得のいく条件を引き出しましょう。
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