お部屋探しをして条件に合う物件が見つかり、いざ契約!となったときに必要な手続きが「賃貸借契約」です。
「賃貸借契約」は、誰と誰が結ぶ契約なのでしょうか?
- あなたがお部屋探しを依頼した“不動産業者”?
- 実際に入居するお部屋の“管理会社”?
- その物件の“所有者(オーナー)”?
お部屋の契約には様々な人や不動産会社が関わり、それぞれに“役割”があります。
この内容をしっかりと把握しておくと、最適な方法でお部屋探しを行えたり、新居へ引っ越したあとのトラブル等でも無駄な時間をかけず対応することができます。
せっかくのお引越しを気持ちよく行えるよう、必要最低限の知識として覚えておきましょう。
そもそも賃貸借契約とは?
「賃貸借契約」とは、新しくお部屋を借りるために必ず行わなければならない手続きです。
お客様からしたら “難しい話を聞かなければならないめんどくさい手続き” かもしれませんが、お部屋に入居するにあたって非常に大事な内容です。
- どのような設備が初めから付いているか
- 契約期間や更新料はいくらか
- なにかトラブルがあった際の連絡先はどこか
など、契約手続きを行ったあとに不動産会社と借主(入居者)の間で “言った・聞いていない” のトラブルがよく発生します。
しかし契約書面に署名捺印を済ませていると “しっかりと聞いて理解した” という証拠となり、借主(入居者)にとって不利な状況に陥るケースも。
まれに大事なことを説明しない不動産会社もありますが、ほとんどの不動産会社がちゃんと説明してくれます。
未然にトラブルを防ぐためにも、契約は重要ということです。
誰と誰が契約を結ぶの?
契約を結ぶのは「貸主」と「借主」。
「貸主」はいわゆるオーナー(所有者)で、「借主」はあなた(入居者)となります。
なかには、貸主の部分が不動産会社となるケースもあります。
俗にいう「サブリース」という形態の物件ですが、こちらはオーナーと不動産会社間の契約で、入居者からしたら同じようなものなのでとくに気にする必要はありません。
簡単に触れておくと、「サブリース」とは・・
「オーナーの収入は物件の家賃です。しかし空室だったとしても家賃を保証しますよ。その代わりに毎月の手数料をたくさんください。」といったニュアンスのオーナーと不動産会社間の契約です。このような物件の場合は不動産会社と入居者で契約を結ぶことになります。
契約手続きは不動産会社と借主で行う
賃貸借契約は「貸主」と「借主」が結ぶ契約という風に前述しましたが、実際に契約の手続きをする場面では不動産会社と行う流れとなります。
この“不動産会社”にも2つのパターンがあります。
それが「仲介会社」と「管理会社」です。
どちらの不動産会社で契約手続きを行うかは物件によって異なるのですが、手続きを行う上でそこまで差はありません。
さて、ここで出てきた「仲介会社」と「管理会社」について、それぞれ役割が違うので解説していきます。
仲介会社について
お客様のお部屋探しから、賃貸借契約までのサポートを行います。
- 物件情報をネットに掲載する
- お部屋探しのご相談からご紹介
- 内見や契約手続きまでのサポート
- 鍵の引き渡し
などが主な業務です。「仲介」とは、お客様と貸主・管理会社の間を取り持つという意味です。
物件の管理を行っているわけではありません。
そのため、物件の詳細について即答できないときもあります。
例えば…
- 設備と残置物の内容
- 入居している住民の情報
- 費用や契約条件などの交渉
などが挙げられます。
このように “実際に物件の管理をしていないと分からない” 内容については、仲介会社では即答できません。後ほど解説する「管理会社」が持っている情報です。仲介会社は前述したとおり「仲介」業務をメインに行います。
この「仲介会社」について、もう少し詳しく説明します。
お部屋探しのキーマン
お客様のお部屋探しをする上で、1番最初にコンタクトを取るのが仲介会社です。
担当してもらう営業マンの力量次第で、スムーズにお部屋探しができるか決まるといっても過言ではありません。
また、どこの不動産会社でも同じ物件をご紹介できます。
しかし我々のような不動産業者が扱う物件検索サイトも多数存在します。それらを網羅して「しっかりと物件検索ができるかどうか」、ここに営業マンの力量が表れます。それに加えて、交渉力がある営業マンだとさらにスムーズにお部屋探しを行えます。
不動産賃貸の業界では「制約付きで好条件にします」ということが頻繁にあります。
分かりやすく言うと
【1年以上住んでくれるなら、最初の1ヶ月分家賃無料にするよ】
よくあるフリーレントのパターンです。
フリーレント以外にも様々な事例がありますが、このような条件を取り付けできる営業マンが“交渉力のある営業マン”といえます。
また、会社によっても風土が違うこと、さらには担当する営業マンによっても雰囲気が違いますので、自分に合った会社や営業マンを選ぶことをおすすめします。
手数料の支払先
お客様がお支払いする仲介手数料は、お部屋探しから賃貸借契約までのサポートを行う対価として仲介会社が受領します。
お部屋の仲介をしてもらう以上、仲介会社に手数料は支払わなければなりません。
同じ支払いでも、気持ちよくお金を使えた方がいいと私は思います。
難しい事ですが、信頼できる不動産会社をしっかりと見極める事が重要です。
“営業色”が強い
仲介会社は、お客様からいただく仲介手数料がメインの収入となります。そのため、“利益を得ること” が最終目標です。
お客様からの仲介手数料とは別に、貸主さんからも手数料を貰えるケースがあります。
業界用語でAD(広告料)が、貸主さんからもらえる手数料にあたり仲介手数料の次に大きな収入源です。
このAD(広告料)は、貸主さん側から「次の入居者を決めてくれてありがとう、そのお礼にお金をあげる」という仕組みです。
貸主さんは家賃が入らないと収入が得られません。多少のコスト(広告料)がかかったとしても、その先継続して収入を得られるため入居してくれる人を探すことを優先します。
仲介会社から見たら、AD(広告料)がある物件かどうかは、一目瞭然です。同じ労力で1件お部屋の契約をするならば、報酬が多い物件でお客様に決めてもらえたほうがいいですよね?
そのようなお部屋に決めてもらえるような、クロージングを行うことが多々あります。物件によってえこひいきしているイメージです。
このような不動産会社を見極める方法として、下記の質問を投げてみてください。
「このお部屋はADが付いている物件ですか?」
嫌な顔をしたら、他社への切り替えも視野に入れた方が良いかもしれません。
管理会社について
次に、管理会社は入居後のサポートを行います。
貸主から物件を預かり、入居者の契約の更新や退去立ち会い、次の入居者の募集などが主な業務です。
要するにその物件の “プロ” という訳です。
基本的には、所有者(貸主)と入居者が直接やり取りをするわけではありません。その間を取り持つのが管理会社です。
入居者にとっての管理会社がどのような立場なのか解説していきます。
トラブルがあったときのお助け隊
基本的には、お部屋のお困りごとが発生した場合は管理会社へ連絡します。
・トイレから水漏れしている
・設備のエアコンが効かなくなった
・隣の人がうるさい など
このような場合に管理会社へ連絡すると、内容に応じた対応を行ってくれます。設備の不具合に関しては業者を手配したり、直接お部屋に伺い状態の確認をしたりします。
騒音関係については、注意文を投函するなどの対策を行うことも。最近では、設備関係の不具合は別でサポートセンターを設けている管理会社も多いです。
ですが、契約の際に様々な連絡先が出てきてどこに連絡すればいいのか分からなくなってしまう人も多いのではないでしょうか?
そのような場合、“とりあえず管理会社に電話” すれば大抵のことは解決します。
いま賃貸に住んでる人へ。知らない人が多いのだけど『備え付けエアコンが突然壊れたり』『トイレが詰ったり』しても、ポストに入ってるチラシやマグネットに記載の業者に連絡すると高確率でボッタクられるので注意。自然故障なら0円で直してくれるので必ず『管理会社or大家さんに連絡して』と伝えたい
— ほんねこ🏡お部屋探しの人(東京&神奈川) (@honnefudousan) February 22, 2024
収入は貸主からの “管理手数料”
管理会社は、貸主から物件の管理を任される代わりに毎月数%の手数料をもらいます。
この数%の手数料が、管理会社の収入です。
仲介会社と大きく違う点がこの収入面です。管理会社が収入を増やすには、たくさんの物件を管理する必要があります。
では、管理する物件を増やすにはどうすれば良いのでしょうか?
仲介会社のようにSUUMOやホームズに物件情報を掲載し、お客様からの契約をたくさんいただくことでは管理物件はそこまで増えません。
たしかに物件の所有者は、入居者からの家賃が収入なので空室が少ないことが重要です。
しかし、その後の対応がずさんな場合はその不動産会社に管理を依頼するでしょうか?
もし、私が所有者なら依頼しません。管理会社が物件を増やすにはクオリティが求められるのです。この “クオリティ” は、様々な面で必要です。
例えば…
- 契約後の書類のやりとり
- 次の入居者を募集する際の諸条件を決める
- 退去後のクリーニングやリフォームについて
など、あらゆる知見が求められます。
物件の所有者が良い管理会社を選ぶには、その不動産会社のHPなどで情報を得ます。このように、対所有者に特化した不動産会社なので入居者に対しての “営業色” はあまり強くないと言えます。
あくまでも“管理会社”
しかし注意が必要な点も。
貸主(所有者)ではないことが多いので、何かお金が発生(修理など)する場合、管理会社に決定権はありません。あくまでも貸主の許可を得てから、作業に取り掛かる流れとなりますので多少のタイムラグが発生します。
「普段の生活をする上で緊急の場合は、迅速に対応するもの。」とされていますが、実際は対応が遅くトラブルになるケースもあります。
「なにか進展があるごとに連絡をください」と言っておいたほうが、管理会社を急かせるでしょう。
さらにややこしいケースもあり
よくあるのは、分譲マンションが賃貸として出ている場合です。
上記の画像のように複雑で、このパターンでは管理会社が2社、所有者と理事長(管理組合)が存在します。
分譲マンション以外にも、同じ建物でも号室毎に管理会社が違うパターンもあります。管理会社といえど、様々な形態があるのです。
賃貸借契約のおさらい
賃貸借契約について、理解が深まりましたか?
ここまで仲介会社や管理会社などについても触れましたが、“契約” はかなり大事な内容だということを覚えておいてください。
また、賃貸借契約で登場する人物を把握しておくと「何を、いつ、誰あてに」聞けば良いのか分かります。
自分のお部屋探しをスムーズにするためにも、覚えておいて損はありません。
まとめ
今回は「賃貸借契約」や、その登場人物となる「仲介会社」「管理会社」について解説しました。
お引越しをする上で、必ず行わなければならない賃貸借契約。
お部屋探しで頼りになる仲介会社。
入居後、トラブルがあった際にとりあえず連絡する管理会社。
それぞれ非常に大事な役割を担っています。
この中でも1番は “良い仲介会社に出会えるかどうか” が、キーポイントです。
お部屋探しをする上で最初にコンタクトを取るのが仲介会社です。
その先のお部屋探しが良いものになるかは、仲介会社の力量で決まります。
皆様のお部屋探しが楽しく充実したものになるといいですね。
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