東京都の北東部に位置する荒川区は、下町情緒あふれる街並みと利便性を兼ね備えた暮らしやすいエリアとして注目を集めています。一方で「治安はどうなの?」「住みやすさは?」といった疑問を持つ人も少なくありません。
本記事では、荒川区の住環境や治安状況を警視庁のデータや地域の特徴とあわせて詳しく解説します。治安の良い駅・悪い駅のランキングや家賃相場、おすすめスポットなど、引っ越しや住み替えを検討中の方に役立つ情報をまとめてご紹介します。

荒川区ってどんな街?住みやすさはどう?

荒川区は、自然と下町文化が融合したコンパクトで暮らしやすい街です。公園や教育施設が充実しており、子育て世帯にも人気があります。交通の便も良く、都心へのアクセスがスムーズなのも大きな魅力です。ここからは、荒川区の基本情報や特徴を紹介しながら、住みやすさについて掘り下げていきます。
荒川区の概要と主要な路線一覧
荒川区は東京都の北東部に位置し、面積は10.16平方キロメートルと23区内で3番目に小さい区です。人口は約21万人(2025年現在)で、比較的高齢化が進んでいる一方で、子育て世帯の流入も増え、人口構成に多様性が見られます。隅田川に面した立地と、交通アクセスの良さから、住宅地としての人気が根強く、JR・地下鉄・都電など複数の交通機関が交差する利便性も大きな魅力です。
町屋や南千住などでは再開発によって新しいマンションや商業施設も増え、地域の活性化が進んでいます。隅田川沿いの緑や下町風情の残る住宅街、再開発の進む駅前など、多様な景観が共存する街並みが特徴です。
主な鉄道路線
- JR山手線
- JR京浜東北
- JR常磐線
- JR宇都宮線
- JR高崎線
- 東京メトロ千代田線
- 東京メトロ日比谷線
- 都電荒川線
- 京成本線
- 日暮里・舎人ライナー
荒川区:住みやすい点
- 複数路線が乗り入れ、山手線や都心へのアクセスが非常に良好
- 区内には公園や河川敷が多く、自然と触れ合える環境が整っている
- 下町らしい人情味ある雰囲気があり、ご近所付き合いもしやすい
- 区立図書館や地域センター、子育て支援施設が充実しており行政サービスが手厚い
- 家賃相場が23区内では比較的安価で、コスパの高い物件が多い
荒川区:住みにくい点
- 一部エリアでは夜間の騒音や生活音が気になることもある
- 下町の古い住宅が多く、バリアフリー対応が不十分な建物も存在
- 平坦な土地ではあるが、都電荒川線沿線などは交通の便にやや難があるエリアも
- 駅から離れるとスーパーや病院など生活施設が不足する場合もある
荒川区の治安は悪い?23区全体と比較して治安はいい?
荒川区の治安は23区の中で平均的〜やや良好な水準にあります。住宅街が多く穏やかな地域が中心ですが、繁華街や駅前など一部地域では軽犯罪が報告されることもあります。ここからは、警視庁の統計や地域の実態をもとに、荒川区の治安状況を詳しく解説します。
荒川区の犯罪情報
荒川区の治安は23区内では比較的安定していますが、地域によって差があります。犯罪発生率は平均よりやや高めで、特に駅前や商業地での軽犯罪が目立ちますが、凶悪犯罪はほとんど発生していません。なお、住宅地では落ち着いた環境が保たれています。
警視庁のデータによると、荒川区の刑法犯認知件数は令和5年(2023年)に1,892件で、前年(1,956件)から約3.3%減少。人口1,000人あたりの犯罪発生率は約8.8件で、23区平均の約7.5件と比較するとやや高めの水準です。
犯罪の内訳では、自転車盗(約780件)や万引き(約320件)などの非侵入窃盗が全体の過半数を占めており、暴行や器物損壊などの粗暴犯も一部報告されています。
特に発生件数が多いエリアとしては、町屋駅前・三河島駅周辺、また観光客の多い日暮里駅周辺が挙げられます。一方で、南千住や西尾久、荒川遊園地周辺など住宅地が中心のエリアでは、犯罪発生率が低く、比較的落ち着いた治安状況が保たれています。
荒川区の安全対策について
荒川区では、住民が安心して暮らせる地域づくりを目指し、行政と地域、警察が連携した多角的な防犯対策を進めています。以下では、代表的な取り組みをご紹介します。
- 防犯カメラの設置拡充:駅前や学校、公園周辺などに多数設置し犯罪抑止を図る
- 地域パトロールの強化:区と警察が連携し、青パト(安全・安心パトロールカー)やボランティアによる巡回を実施
- 防犯灯や街灯のLED化:夜間の視認性を高め、暗がりでの犯罪を防止
- 「児童見守り条例」の施行:地域社会と一体となって児童の安全確保に全力で取り組んでいる
- 安全・安心ステーション:地域の防犯拠点として、区内の4カ所に安全・安心ステーションを設置
- 防犯情報の配信:荒川区メールマガジン・LINE・X(旧ツイッター)・Facebookにて、区内の防犯情報を配信
- ひったくり対策:自転車防犯カバーの無料配布
- 「荒川区生活安全条例」を制定:生活安全に関する意識の啓発や、犯罪、事故等を防止するための活動を推進
荒川区の治安のいい駅ランキング5選
区には比較的落ち着いた住宅街や地域の防犯意識が高いエリアもあり、安心して暮らせる駅が複数存在します。犯罪発生件数や地域の治安状況をもとに、治安の良さに定評のある駅をランキング形式でご紹介します。
※駅ごとの詳細な犯罪統計データは公開されていないため、区全体の治安状況や各駅の特徴を総合的に考慮した評価となります。
荒川区の治安のいい駅1位:荒川車庫前駅
西尾久6丁目に位置し、犯罪発生率は0.47%と区内で最も低い。下町らしい落ち着いた住宅街で、粗暴犯もほとんどなく、家族連れにも安心なエリアです。
荒川区の治安のいい駅2位:三河島駅
東日暮里エリアに位置し、犯罪発生率は0.60%。自転車盗が中心で重大犯罪はほぼなし。駅前の商店街は賑やかですが、住宅街は落ち着いた環境です。
荒川区の治安のいい駅3位:町屋駅
荒川7丁目に位置する交通の要所で、犯罪発生率は0.62%。商店街や公園が整備された住みやすい住宅地。自転車盗が多いものの、治安は比較的安定しています。
荒川区の治安のいい駅4位:熊野前駅
東尾久にあり、犯罪発生率は0.73%。自転車窃盗や万引きが主な犯罪で、空き巣や粗暴犯は少ないです。商業施設が少なく、下町の雰囲気が残る住宅街になっています。
荒川区の治安のいい駅5位:東尾久三丁目駅
都電荒川線沿い、東尾久3~4丁目にあり、犯罪発生率は0.73%前後。万引きや自転車盗が中心ですが、暴力事件などは少なく、住宅街として治安は安定しており大きなトラブルはほぼありません。
※上記のランキングは、公開されている情報や一般的な傾向をもとに作成したものであり、実際の治安状況は時間帯や場所によって異なる場合があります。また、各駅の治安状況を保証するものではありません。実際の居住や訪問を検討する際は、現地の状況を直接確認することをおすすめします。
荒川区の治安の悪い駅ランキング5選
荒川区の中でも駅前や繁華街周辺では、軽犯罪が発生しやすい傾向にあります。特に夜間の人通りや混雑度によっては注意が必要な地域も。ここでは、やや治安面で気をつけたい駅をランキング形式でご紹介します。
※駅ごとの詳細な犯罪統計データは公開されていないため、区全体の治安状況や各駅の特徴を総合的に考慮した評価となります。
荒川区の治安の悪い駅1位:西日暮里駅
西日暮里2丁目に位置する、飲食店や雑居ビルが集まる繁華街が広がるエリア。犯罪発生率は1.39%と区内で最も高い。夜間の騒音や自転車窃盗や万引き、暴行・傷害などの粗暴犯が多い傾向です。
荒川区の治安の悪い駅2位:南千住駅
南千住4~8丁目の商業エリアと住宅街。交通利便性がよく再開発が進んだ便利な街ではあるものの、人口が多く、駅周辺の繁華街で軽犯罪が多い傾向です。
荒川区の治安の悪い駅3位:三ノ輪駅・三ノ輪橋駅
南千住エリアにあり、駅周辺には商店街が広がる。自転車窃盗や万引きが多い傾向で、夜間の飲食店周辺で酔っ払いトラブルが散見される。
荒川区の治安の悪い駅4位:荒川一中前駅
都電荒川線沿線で商業施設が少なく、人通りもまばらなため、治安面でやや注意が必要な駅といえます。時間帯によっては不審者情報も見られます。
荒川区の治安の悪い駅5位:新三河島駅
新三河島駅は西日暮里や日暮里に近く、交通の利便性は高い反面、繁華街が近接しており夜間の治安にやや不安があります。自転車盗や軽犯罪の報告があり、通勤通学には便利なものの、夜道は注意が必要なエリアです。
※上記のランキングは、公開されている情報や一般的な傾向をもとに作成したものであり、実際の治安状況は時間帯や場所によって異なる場合があります。また、各駅の治安状況を保証するものではありません。実際の居住や訪問を検討する際は、現地の状況を直接確認することをおすすめします。
荒川区の家賃相場は?23区内だと安い?
荒川区の家賃相場は、23区内でも比較的リーズナブルで、都心へのアクセスの良さを考えるとコストパフォーマンスに優れています。ここでは、1R・1K、1DK・1LDKの相場を中心に解説していきます。
荒川区の家賃相場:1R・1K
1R・1Kの家賃は平均で8万円〜9万円程度。駅近や築浅の物件では9万円前後のこともありますが、町屋・三河島エリアなどでは6万円台の物件も見つかります。
- 1R:8.32万円
- 1K:9.37万円
参考:不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME'S(2025年4月時点)
荒川区の家賃相場:1DK・1LDK
1DK・1LDKでは、相場は11万〜16万円前後。駅近や築浅の物件では15万円台になることもありますが、ファミリー層にも手が届きやすい価格帯が多い点が魅力です。
- 1DK:11.66万円
- 1LDK:16.38万円
参考:不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME'S(2025年4月時点)
荒川区おすすめスポット5選
荒川区には、自然と歴史、そして下町の魅力を感じられるスポットが点在しています。ここでは、地元の人にも観光客にも人気のスポットを厳選してご紹介します。
- あらかわ遊園:荒川遊園地前駅 徒歩3分
東京都内で唯一の区立遊園地で、小さな子ども向けの遊具や動物ふれあい広場、ミニ列車などが楽しめるアットホームなテーマパーク。2022年にリニューアルされ、カフェや広場も整備されており、家族連れに特に人気です。

- 都立汐入公園:南千住駅 徒歩12分
隅田川沿いに広がる開放感あふれる大型河川敷公園で、スカイツリーを眺めながらの散歩やランニングが楽しめます。広い芝生広場やバーベキュー施設、大型遊具などもあり、家族や友人とのお出かけにもぴったりです。

- 荒川自然公園 :荒川二丁目駅 徒歩3分
交通公園やテニスコート、ビオトープが整備された多機能型の区立公園。子どもの自転車練習や自然観察、季節の花々を楽しむことができ、地域住民の憩いの場として親しまれています。

- 日暮里繊維街:日暮里駅 徒歩3分、三河島駅・鶯谷駅 徒歩5分
布地・洋裁用品の専門店が約90店舗以上並ぶ繊維の街。プロのデザイナーから手芸好きまで多くの人が訪れます。レトロな街並みと独特の活気も魅力で、ものづくりの楽しさを感じられるスポットです。

- 素戔雄神社:南千住駅・千住大橋駅 徒歩8分、 三ノ輪橋駅 徒歩10分
荒川区南千住に鎮座する歴史ある神社で、厄除けや疫病除けのご利益で知られています。緑に囲まれた静かな境内では、地元の人々が日々参拝に訪れ、毎年の例大祭では地域を挙げたにぎわいを見せます。

荒川区はこんな人におすすめ!
荒川区の特徴を踏まえると、以下のようなライフスタイルの人におすすめです。
- 都心に出やすく、通勤通学を効率化したい人
- 家賃を抑えつつ広めの物件を探したい一人暮らし・カップル
- 子育て支援や自然が多い環境を求めるファミリー層
- 下町の温かさや地域のつながりを重視したい方
まとめ:荒川区はこんな街
荒川区は、都心へのアクセスが便利でありながら、緑豊かな公園や親しみやすい下町文化が根付いた、バランスの取れたエリアです。家賃相場も23区内では比較的リーズナブル。子育て世帯や一人暮らし、シニア層まで幅広い層に対応できる住環境が整っています。
また、治安面でも大きなトラブルが少なく、行政と地域が連携した防犯対策も進んでおり、安心して暮らせる地域といえるでしょう。エリアによって雰囲気や利便性に違いがあるため、ライフスタイルに合った地域選びがポイントになります。
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