賃貸契約を結ぶ際に、入居審査は避けて通れません。しかし、過去にクレジットカードやローンの支払いを延滞した経験があると「ブラックリストに載っているから審査に落ちるのでは?」と不安になる人も多いでしょう。
本記事では、ブラックリストの実態や、賃貸審査に与える影響、そしてブラックリストでも審査に通りやすい物件の探し方について詳しく解説します。

そもそもブラックリストとは?
賃貸契約の審査に通らない理由として「ブラックリストに載っているから」と聞いたことがある人も多いでしょう。しかし、実際には「ブラックリスト」というリストは存在しません。
本章では、ブラックリストとされる仕組みや、どのような場合に信用情報に傷がつくのかを詳しく解説します。
実はブラックリストは存在しない!?
一般的に「ブラックリストに載る」と言われますが、実際には「ブラックリスト」という名称のリストが存在するわけではありません。金融機関や信用情報機関が、ローンやクレジットカードの延滞・債務整理・自己破産などの記録を信用情報として管理しているだけです。
この信用情報に事故情報*が掲載されてしまうと、新規でクレジットカードが作成できなかったり、賃貸契約の入居審査に影響してしまう場合があります。
事故情報*=ネガティブな情報
ブラックリストに載る理由とは
信用情報機関に事故情報として記録される主な理由は以下の通りです。
- クレジットカードやカードローンの長期延滞(61日以上)
- 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)
- 携帯電話の分割払いの滞納
- クレジットカード強制解約
このような履歴があると、信用情報を照会する賃貸保証会社の審査に影響を与える可能性があります。
ブラックリスト情報の掲載期間について
信用情報機関には、事故情報が一定期間登録されます。登録期間は以下のようになっています。
- 延滞:最長5年
- 債務整理:最長5〜7年
- 自己破産:最長10年
この期間が経過すれば、信用情報はクリアされますが、それまでは金融機関や一部の賃貸保証会社の審査に通りにくくなります。
ブラックリストに載っているか確認する方法
信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)では、自分の信用情報を開示請求できます。開示請求を行うことで、自分の信用情報がどのように記録されているのか確認できます。
<開示請求を行う際に必要なもの>
- 開示申込書
- 本人確認書類
- 手数料(数百円〜1,000円程度。各機関によって異なる)
ブラックリストに載ったら賃貸契約は審査に落ちる?
ブラックリストに載ると賃貸契約の審査に通らないのか、不安に感じる人も多いでしょう。結論としては、全ての物件で審査に落ちるわけではありません。
保証会社の種類によっては、信用情報を重視しないところもあるため、契約可能な物件を選ぶことが重要です。
信販系の賃貸保証会社の物件は落ちる!
賃貸契約では、保証会社の審査を受けることが一般的です。特に、信販系(クレジットカード会社系)の保証会社は信用情報をチェックするため、ブラックリストに載っていると審査に落ちる可能性が高くなります。
【信販系の保証会社の審査が厳しい理由】
信販系の審査が厳しい理由は、金融機関が運営しているため、リスク管理を徹底しているからです。信販系は、自社のクレジットカードや消費者金融の利用者に対して、保証サービスを提供しています。そのため、利用者が家賃を滞納した場合、信販系は自社の損失を被る可能性があります。このため、信販系は審査を厳しくして、確実に家賃を支払うことができる人を選別しています。
賃貸保証会社の種類とは
賃貸契約には保証会社の審査が必要なことが多く、特にブラックリストに載っている場合は、保証会社の種類によって審査結果が大きく異なります。
本章では、信販系、LICC系、独立系の3種類の保証会社の特徴を解説し、それぞれの審査の違いを紹介します。
信販系保証会社
信販系とは、大手家電量販店やクレジットカード会社、消費者金融などの金融機関が運営している保証会社のことです。信販系は信用情報を重視するため審査が厳しく、信用情報に問題がある人や収入が低い人は審査に通らない可能性があります。
<信販系の保証会社>
- オリエントコーポレーション
- エポス(ROOM ID)
- アプラス
- セディナ
- ジャックス
- ライフあんしんプラス(あんしん保証)
LICC系保証会社
LICCとは、「Lease Information Center of Credit(リース情報信用センター)」の略称で、LICC加盟とは「一般社団法人 全国賃貸保証業協会」に加入していることを指します。LICCは保証会社が加入する任意団体で、入居者情報を共有することで、入居審査の精度向上を目指しています。審査基準は信販系と独立系の中間程度です。
LICC加盟の保証会社では、過去に家賃滞納などの事故を起こした入居者が、再び同じようなことを繰り返さないよう、情報を共有することができます。信用情報よりも賃貸の滞納履歴を重視するため、信販系よりは審査が通りやすい傾向にあります。
<LICC系保証会社>
- エルズサポート
- 全保連
- ジェイリース
独立系保証会社
独立系の保証会社とは、金融機関ではなく、独立した企業が運営している保証会社のことです。独自の審査基準を持ち、審査が甘い傾向にあります。信用情報を参照しないケースが多く、信販系よりも審査基準がゆるいと言われており、ブラックリスト入りしていても審査が通る可能性があります。しかし、業者の規模や審査基準はまちまちなので注意が必要です。
【独立系の保証会社の審査がゆるい理由】
独立系は自社の損失を被るリスクが低いため、審査がゆるくなっています。独立系は、自社の信用情報ではなく、利用者の信用情報を元に審査を行います。そのため、利用者が家賃を滞納した場合、独立系は利用者に対して損害賠償請求を行うことができます。このため、独立系は審査をゆるくして、より多くの顧客を獲得することを目指しています。
<独立系保証会社>
- フォーシーズ
- 日本セーフティー
- オーロラ
- 日本賃貸保証(JID)
ブラックリストでも賃貸契約の入居審査を通過する方法
ブラックリストに載っているからといって、すべての賃貸物件で入居が不可能なわけではありません。独立系保証会社を利用したり、法人契約を活用したりすることで審査に通る可能性が高まります。本章では、具体的な対策を解説します。
独立系の賃貸保証会社の物件を選ぶ
信用情報を重視しない独立系保証会社を利用することで、ブラックリストでも審査に通る可能性が高くなります。
保証会社は不動産会社指定の場合が多く、物件ごとに決まっています。そのため、自分で保証会社を選ぶことは原則できません。特定の保証会社を利用したい場合は、事前に希望を不動産会社に伝えておくことが大切です。
法人名義(借上社宅)で契約をする
勤務先が借上社宅制度を導入している場合、会社名義で契約することで信用情報を考慮されずに入居できる可能性があります。
契約名義を親族に変更できないか確認
親族に代理契約*をお願いするのも一つの手段です。親や兄弟などの親族に一定以上の収入がある場合、代理契約が許可される場合があります。ブラックリストに載ってしまい、自分の名義では審査通過が難しい場合は、親族に代わりに契約してもらうことを検討しましょう。
代理契約*…入居者とは異なる人が賃貸契約を結ぶこと
賃貸契約の入居審査で落ちた場合の対処法
万が一、入居審査に落ちてしまった場合でも、他の保証会社を利用するなど、対処法はあります。審査の基準を理解し、落ちた理由を確認することで、次の申し込みで成功しやすくなります。
本章では、審査に落ちた際の具体的な対応策を紹介します。
別の保証会社(信販系)の審査を受ける
保証会社ごとに審査基準が異なるため、別の保証会社を利用することで審査に通る可能性があります。別の保証会社を使っての再審査が可能かどうかを不動産会社に確認し、可能であれば審査を申し込むと良いでしょう。
入居審査に詳しい不動産屋に相談する
不動産会社に事情を相談するのも一つの手段です。不動産会社は多くの物件を取り扱っており、様々な保証会社と付き合いがあります。そのため、審査が甘い保証会社や審査が通りやすい物件について情報を持っている可能性が高いです。
ブラックリスト以外にも入居審査で落ちる場合あり
ブラックリスト以外にも、家賃の支払い能力や職業・勤務状況によって審査に落ちるケースがあります。家賃が収入の3分の1を超えていたり、収入証明ができなかったりする場合、審査が厳しくなることも。
本章では、その他の審査落ちの理由について詳しく解説します。
家賃が審査基準(収入の3分の1)を超えている
賃貸の入居審査では、一般的に家賃が月収の3分の1以下であることが基準とされています。これは、貸主や保証会社が家賃の支払い能力を判断するための指標です。例えば、月収が24万円の場合、8万円以上の家賃の物件は審査に通りにくくなります。
ただし、貯金が多い場合や副収入がある場合は、審査を通過できることもあります。収入が基準を超えていないか、事前に確認することが重要です。
職業や勤務状況、収入を証明できない等
収入証明ができない場合、契約に必要な信頼性を欠くため、審査落ちすることがあります。入居審査では、安定した収入があるかどうかが重要視されます。特に無職やアルバイトのみの収入、就業期間が短い場合は審査に不利となります。また、フリーランスや自営業の場合も、収入証明がしづらいため、確定申告書や残高証明書を求められることがあります。
収入証明がない場合は、連帯保証人を立てたり、預貯金を証明することで審査に通る可能性が高まります。
他にも入居審査で役立つ記事まとめ
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