「こんなに安い物件あるの!?」と部屋探しサイトを見て問合せをした不動産屋に行ってから「その物件はもう募集が終わりました」と言われた経験ありませんか?
それ、おとり広告の可能性が高いです。賃貸物件のおとり広告とは、実際には存在しない物件をあたかも存在するかのように募集する手法のことをいいます。今回はおとり広告の真相をぶっちゃけたいと思います。
まず、おとり広告とは何か
おとり広告とは、客寄せのための架空広告のことです。
最も悪質な不当表示として、広告規約で禁止されています。出典:HOME'S 不動産用語集
実際には別の方が住んでる物件の情報を使って、家賃や募集条件を書き変えて、あたかも募集してるのを装って出す広告の事を言います。
明らかに相場賃料からかけ離れていたり、敷金礼金条件等も、他の物件と比較してかなり割安感があります。
そういった相場よりもお得感がある物件が実在するのであれば紹介して欲しいと誰もが思うはずです。
不動産の取引に顧客を誘引する手段として行う次のような表示を不当表示として規定しています。
(1)建物が存在しないため、実際には取引することができない建物についての表示(例…実在しない住所・地番を掲載した物件)
(2)存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件についての表示(例…成約済みの物件)
(3)存在するが、実際には取引する意思がない物件についての表示(例…希望者に他の物件を勧めるなど当該物件の取引に応じない場合)
出典:消費者庁‐不動産のおとり広告に関する表示
おとり広告を出してるのは誰か
まず、みなさんは普段何を見て物件をお探しされてますか?
ネットを見てお探しされてる方は、「SUU●O」「HO●E’S」「at●ome」「Yah●o不動産」などのポータルサイトを見て物件を探されてる方が多いと思います。
そこに募集掲載を出してるのは、仲介業者がほとんどです。
※仲介業者とは、貸主様とお客様の間に入ってる業者の事を言います。
その仲介業者はなぜ、おとり広告を出すのか・・
それは、「集客目的」です。
安い物件や問合せが多くなりそうな物件を募集掲載出すと、お客様からの 問合せは必然的に増える はずです。
それを狙って、募集を沢山だして集客の入り口を増やすというのが目的で広告を出してるのです。
eroom.earthrevo.jp/archives/4838(新しいタブで開く)
問合せすると「募集中」と言われます
自分:え、めっちゃ安いじゃん・・ 問合せボタンをぽちっと。
業者:募集中ですので、内見はいつにしますか?まずは事務所にご来店ください。
といった感じで、来店を促されます。
来店すると、「この物件は申込が入りました」
業者:似たような条件でこちらの物件はいかがですか??
自分:・・・(心の声)なんで来店前に教えてくれなかったんだろう。
ま、これしか無いならこれでも良いか・・。
といった感じで別の物件を勧められるという流れになってます。
諦めてもらったところで、別の物件(自社に入る手数料が多くもらえる物件など)を勧めて、申込をしてもらうというのが「おとり広告」をしてる会社のやり方です。
ちなみに、無い物件をあると言って店に呼ぶ事を業界用語で「ある呼び」と言います。
別記事:ある呼びに注意!
そして、虚偽・誇大広告は違反となります。
おとり広告の見分け方
ネットで安い物件を見つけた!とお客様からお問い合わせ頂く事がよくあります。
業者用サイトでしらみつぶしに調べますが、どこにもそのような物件は見当たりません。
安い物件広告を掲載している仲介会社に確認をすると、ほとんどの確率で先物(自社の物件ではない)なので分かりませんと言われたり、募集が終了してますと言われたりします・・
そういったおとり広告の見分け方ですが、
家賃や初期費用が相場よりも安い
家賃や初期費用(契約金のこと)は、エリアごとに「相場」があります。その相場に対して明らかに安い家賃である場合や、同じエリア内にある似た条件の物件と比較したときに、突出して家賃が安い場合は注意しましょう。
空室期間が長い物件や募集を出して問合せが少ない物件などは、大家さんとしては近隣の物件よりも少しか家賃を値下げしてでも入居してほしいと考える方が多いです。ただ、家賃は毎月の収入に直結します。一度下げてしまった賃料を上げるのは難しいことからも、相場に対して明らかに安い家賃にすることは考えにくいです。
お部屋の条件が良すぎる
「家賃が安いのに、駅から近くて設備も整ってて広いお部屋」など良い条件が揃いすぎている物件も注意した方がいいです。好条件で誰の目から見ても人気がありそうな物件は、「不動産屋に直接相談をしてるお客様」に優先的に紹介をしてその場で申し込みが入り、スーモなどの物件検索サイトに載せる前に終了するケースが多いです。
1社からしか募集掲載がでていない
スーモなどの物件検索サイトで賃貸物件検索をすると、複数の不動産屋さんが同一の物件情報を掲載し、入居者を募集しているのをよく目にします。入居者募集をする際に、大家さんと不動産屋さんが結ぶ「媒介契約」。この種類が「一般媒介」と呼ばれるものであるときは、直接大家さんと契約を結んでいる不動産屋さんでなくても、借主を探して仲介することが可能です。
少しでも掲載物件数を増やして、お客さんを呼び込みたい不動産屋さんは、こうした一般媒介契約の物件を多く掲載しています。一般媒介の物件であるにも関わらず、不動産ポータルサイト内やその他のサイト上で、同一の物件情報が見つからない場合は、注意が必要です。
物件名がや詳細情報が掲載されてない。
実際に募集がされている物件の多くは、物件の詳細な住所や間取りや物件名などが一通り記載されています。また、物件名とざっくり住所をGoogle検索すると、場所の特定が可能です。しかし、この両方が記載されていない場合は物件の特定が難しいです。そのため、バレるのを恐れてわざと掲載していない可能性が高いので注意です。
上記、2つ以上に該当する場合は、少し疑いながらみた方がいいです。
そういった物件を問合せする際は、物件の目の前待ち合せが可能かどうかを確認される事をおすすめします。
まとめ
不動産屋の中には「情報の更新が漏れていた為に、結果的におとり物件になってしまった」というケースもありますが、「ない」物件を「ある」と伝えるのは簡単に言えば「嘘」です。
どんな業界でも少なからず「営業手法」という物が使われており、悪く書けば、全部が嫌らしく見えるかと思いますが、「嘘」だけは絶対にいけないと思います。
「ある」ものは「ある」、「ない」ものは「ない」と、常に正確な情報を伝えてお客様の希望に合う物件を紹介するのが、仲介会社の本来あるべき姿だと私たちは思っているので、今回の記事で解説した「おとり広告(おとり物件)」にはご注意ください。
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